住宅の買取とは、不動産会社が売主から直接、住宅を買い取る取引方法のことです。
その一方で、買取よりも一般的な取引として「仲介」があります。
この2つの取引方法にはそれぞれメリット・デメリットがあり、向き不向きがあるため、それらを知っておくことで、ご自身にとってベストな取引方法を選ぶことができますよ。
そこで本記事では、次の内容を解説していきます。
▼本記事の内容
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本記事を読むことで、住宅買取の基礎知識が身につくだけでなく、「買取」か「仲介」のどちらを選択するのがベストなのかを判断できるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
目次
1.住宅の買取とは
冒頭でもお伝えしたとおり、「買取」とは、不動産会社が売主から直接、住宅を買い取る取引方法のことです。
一方で、不動産取引として最も一般的であるのが「仲介」です。
仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に立ち、住宅の売買取引を成立させることです。
「買取」と「仲介」では、このように住宅を売る相手が違います。
そのため不動産会社に直接売却できる「買取」では、住宅を現金化できるスピードが早い点が特徴です。
2.買取と仲介の違い
「買取」について理解するために、もう一つの取引方法である「仲介」と比べてみましょう。
買取と仲介の違いは、以下の通りです。
買取 |
仲介 |
|
買主 |
不動産会社 |
個人 |
売却期間 |
数日〜1ヶ月程度 |
3〜6ヶ月程度 |
売却価格 |
安くなる可能性が高い |
相場価格 |
仲介手数料 |
なし |
あり |
内覧対応 |
なし |
あり |
契約不適合責任 |
なし |
あり |
最も大きな違いは、「売却期間」と「売却価格」です。
買取では、不動産会社が買主から住宅を直接買い取るので、個人の買主を探す仲介と比べると売却スピードが早く、先述の通り、素早く現金化することができます。
しかし一方で、不動産会社が市場で再度販売することを目的として住宅を買い取るため、再販費用分を買取価格から引かれてしまいます。その結果、買取価格は相場価格よりも安くなる可能性が高くなってしまうのです。
上記の「仲介手数料」、「内覧対応」、「契約不適合責任」に関する買取のメリットやデメリットについて詳しくは「5.住宅買取5つのメリット」「6.住宅買取2つのデメリット」で解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
3.買取には「即時買取」と「買取保証」の2パターンがある
買取には「即時買取」と「買取保証」の2パターンがあります。
▼不動産会社による買取の方法2パターン ◆即時買取 ◆買取保証 |
即時買取は、数日〜1ヶ月程度で不動産会社との取引が完了するため、なるべく早く住宅を売却して現金化したい人におすすめの方法です。
買取保証は、即時買取よりは取引に時間がかかるものの、住宅が高値で売れる可能性が高くなります。そのため、「少しでも高値で買取したい!」と考えている人にはおすすめの方法です。
ご自身の状況に合わせて、どちらの買取方法を選択すべきか考えましょう。
4.住宅買取の流れ8ステップ
ここまで買取についての知識をお伝えしましたが、それらの知識を踏まえたうえで、「住宅買取の流れ」を知ることで、より買取についての理解が深まります。
そこで本章では住宅買取の流れ8ステップを解説していきます。
4-1.【ステップ①】必要書類の確認
ステップ①は、「必要書類の確認」です。
住宅の買取では、査定をしてもらってから引き渡しを行うまで数日〜1ヶ月程度で取引が完了するため、短い期間に書類を準備する必要があります。そのため、スムーズに手続きを完了できるように、必要な書類の確認を一番はじめにしておくようにしましょう。
4-2.【ステップ②】不動産相場の確認
ステップ②は、「不動産相場の確認」です。
不動産会社に査定を依頼する前に、自分で買取相場を確認しておきましょう。
というのも、査定の価格が相場より高いのか低いのか判断できるようにするためです。
査定価格が高いのか、安いのかを判断できれば、安い査定価格を出されたときに気づけるだけでなく、なぜ安くなっているのか理由を確認することもできます。
そのため査定依頼をする前に、まずはご自身で不動産相場を確認するようにしておきましょう。
4-3.【ステップ③】査定依頼
ステップ③は、「査定依頼」です。
不動産会社に査定を申し込みましょう。
そうすることで、どのくらいの価格で買い取ってもらえるのか、明確な金額がわかります。
ポイントは、1社だけに査定依頼をするのではなく、複数社に依頼することです。
まずはネット上で依頼できる「簡易査定」で複数社に依頼を出し、納得できる条件の会社に決めます。そしてそのあとに、実際に住宅を見て査定を行う「訪問査定」を依頼すると良いでしょう。
4-4.【ステップ④】不動産会社の決定
ステップ④は、「不動産会社の決定」です。
買取をしてもらう不動産会社を決定します。
不動産会社を決めるポイントとしては以下の3つです。
▼不動産会社を決める3つのポイント
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4-5.【ステップ⑤】条件確認
ステップ⑤は、「条件確認」です。
買取の取引を契約する前に、買取のスケジュールや必要な書類などを事前に確認しておきます。
後々トラブルにならないように、少しでも疑問に感じることがあれば、確認をするようにしておきましょう。
4-6.【ステップ⑥】売買契約の締結
ステップ⑥は、「売買契約の締結」です。
売主と不動産会社が取引について合意をすれば、売買契約が締結されます。
契約書や契約約款を読み上げて最終確認をし、契約書へサインと押印をして契約を結びます。また、このタイミングで手付金を受け取ることになります。
4-7.【ステップ⑦】決済・引き渡し
ステップ⑦は、「決済・引き渡し」です。
不動産会社が残金の決済を行い、売主が住宅を引き渡して、買取の一連の手続きが完了します。
4-8.【ステップ⑧】確定申告
ステップ⑧は、「確定申告」です。
住宅の買取を行って利益が出た場合には、翌年の2月中旬〜3月中旬の間で確定申告を行います。
一般的な不動産の「買取」の流れについて、さらに詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。 |
5.住宅買取5つのメリット
ここまで住宅の買取に関する基本的な知識を解説しましたが、「住宅を買取してもらうのって、実際いいのかどうかわからない!」と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで5章・6章では、住宅買取のメリット・デメリットをお伝えします。
まずは住宅を買取してもらう5つのメリットを解説します。
それでは詳しく見ていきましょう。
5-1.売却期間が短く、すぐに現金化できる
住宅買取の1つめのメリットは、「売却期間が短く、すぐに現金化できる」ことです。
仲介では不動産会社が住宅を買ってくれる個人を探すことになるので、それだけ売却期間が長くなり、3〜6ヶ月、もしくはそれ以上の期間を要してしまいます。
一方で買取では、不動産会社が買主となるため、個人の買主を探す時間がかからずにすぐに売却でき、現金化するスピードも早くなるのです。
したがって、「すぐにまとまったお金が欲しい!」という場合には、買取は適した取引方法と言えるでしょう。
5-2.仲介手数料を支払う必要がない
住宅買取の2つめのメリットは、「仲介手数料を支払う必要がない」という点です。
買取では、買い取った住宅をリフォームして市場で販売することによって、不動産会社は利益を得るため、仲介手数料の支払いは不要になっています。
ところが仲介手数料はその字のごとく、仲介の場合には支払う必要があります。不動産会社に仲介をしてもらうため、その成功報酬として仲介手数料を払う必要があるのです。
仲介手数料は以下のように法律で上限が決められており、不動産会社のほとんどが上限の金額を請求しています。
取引金額 |
仲介手数料 |
200万円以下の部分 |
売買価格×5%+消費税 |
200万円から400万円以下の部分 |
売買価格×4%+消費税 |
400万円を超える部分 |
売買価格×3%+消費税 |
速算法 |
(売買価格×3%+6万)×消費税 |
たとえば、2000万円の住宅が「仲介」で売れた場合、仲介手数料の上限は「およそ71万円」になります。
仲介の場合、少なくない金額が手数料として引かれてしまうのです。
ただし、買取で手数料がかからない分、高く買い取ってもらえるわけではありません。買取価格は、市場相場の3割引き程度の価格になってしまうということを覚えておきましょう。
5-3.内覧対応をする手間が省ける
住宅買取の3つめのメリットは、「内覧対応する手間が省ける」ということです。
内覧とは、購入希望者が住宅を見学に訪問することです。
仲介では、住宅の購入希望者が「住みたいと思える住宅なのかどうか?」をチェックするために、内覧に訪れます。そこで売主は購入希望者に住みたいと思ってもらえるよう、住宅の掃除や家具の配置などをしたり、購入希望者への内覧対応をしなければならず、手間がかかります。
また現在住んでいる住宅を売りに出す場合は、住みながらも内覧があるたびに準備と対応をしなければならないので、より時間や手間がかかってしまうのです。
このように内覧には、準備や対応に手間と時間がかかってしまうので、内覧にストレスを感じる人が多いのです。
一方で買取の場合、不動産会社が査定のために内覧に訪れるだけなので、仲介のような内覧対応の手間やストレスがないのがメリットです。
5-4.契約不適合責任を負う必要がない
住宅買取の4つめのメリットは、「契約不適合責任を負う必要がない」という点です。
契約不適合責任とは、不動産取引の際にその物件に契約上合意していない欠陥があった場合に、売主が責任を負うというものです。
仲介においては、「売主は契約不適合責任を負う必要がある」と法律上で決まっているので、住宅の売却後、契約書に記載のない欠陥が見つかった場合には、補修や損害賠償を買主から求められる可能性があります。欠陥とは、たとえば配管の漏れやシロアリなどです。
仲介においては、売主は思いもよらぬ出費が発生する可能性があるのです。
買取では、不動産会社が買主であるので、契約不適合責任を負う必要はありません。免責として、契約を締結するケースが多いです。
5-5.近所の人に知られることなく売却できる
住宅買取の5つめのメリットは、「近所の人に知られることなく売却できる」という点です。
仲介で住宅を売却する場合、購入希望者に検討してもらえるように近隣住民にチラシを配布したり、WEB掲載をしたりして販促活動を行います。その結果、近所の人や知り合いに、住宅を売りに出していることがバレてしまう可能性が高いのです。
一方で買取の場合、不動産会社に買い取ってもらうので販促活動は不要です。そのため、近所の人に知られることなく売却ができます。「近所の人に売却を知られたくない」「あらぬ噂を立てられたくない」と考えている人にはおすすめと言えるでしょう。
6.住宅買取2つのデメリット
次に住宅買取の2つのデメリットを解説します。
6-1.市場価格より3割程度安くなってしまう
住宅買取の1つめのデメリットは、「市場価格より3割程度安くなってしまう」という点です。
その理由は、「リフォーム・リノベーションの費用」や「再販したときの利益」を市場価格から差し引いて、買取価格を決定しているからです。
買い取った住宅はそのまま市場で販売しても売れない可能性があるのでリフォーム・リノベーションをすることで住宅に付加価値をつけて、再販します。
また買取では仲介手数料が取れない分、買い取った住宅を再販することで利益を得ています。
このような事情から、市場価格からリフォーム代や利益分を差し引いて買取価格を決定しているため、どうしても市場価格より安くなってしまうのです。
たとえば、仲介で2000万円で売却できる住宅も、買取になるとで1400万円での売却になります。
したがって、「市場価格より安い価格で住宅を売りたくない!」「できれば高値で売りたい!」と考えている人には、買取は向かないと言えるでしょう。
6-2.築浅・条件の良い住宅の場合は損をしてしまう
住宅買取の2つめのデメリットは、「築浅・条件の良い住宅の場合は損をしてしまう」ことです。
ここでいう条件の良い物件とは、立地が人気エリアであったり、最新設備が備わっているなどの住宅のことです。そのような住宅を仲介で売却すると、リフォームなどをして付加価値をつけなくても市場価値が高いため、高値で売却することが可能です。
一方で買取にしてしまうと、たとえ再販のためにリフォームが必要なくても、不動産会社が再販時の利益分を買取価格から引いてしまうので、市場価格よりも安い金額でしか取引ができません。
そのため築浅であったり、条件の良い住宅は、仲介で売却すれば高値で売れるのにも関わらず、買取を選択することで、高値売却する機会を損失してしまうのです。
したがって、築浅もしくは条件の良い住宅の場合は、買取ではなく、仲介での売却が向いています。
▼新築・築浅の住宅を売却したいと考えている場合には、こちらもお読みください! 先述の通り、新築や築浅の住宅を売却したいと考えている場合は、高値で売れる可能性があるため、仲介での売却がおすすめであることをお伝えしました。しかし実際に、新築・築浅の住宅を高値で売却するためには、高値で売るための正しい方法を知っておかないと、想定よりも低い価格でしか売れない可能性があります。 以下の記事では、「新築・築浅物件を売却したい人が知っておくべき基礎知識」や、「新築・築浅を高値で売却する方法」を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 |
7.住宅の買取をしてもらったほうがいい人
お伝えしたとおり、買取にはメリット・デメリットがあり、状況によって向き不向きがあります。
そのため、ご自身が「買取に向いているのかどうか」をしっかり判断する必要があります。
そこで7章・8章では「住宅の買取してもらったほうがいい人・しないほうがいい人」について、それぞれ解説していきます。
まず本章では買取をしてもらったほうがいい人についてお伝えします。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
7-1.住宅をすぐに売却したい人
買取をしたほうがいい人の1つめに特徴は、「住宅をすぐに売却したい人」です。
買取では数日から1ヶ月程度の短期間で、不動産会社に売却できるので、「早く現金化したい!」「すぐに売却しなければいけない事情がある!」という人に向いています。
たとえば、海外転勤などですぐにでも住宅を売却したい人や、離婚や相続で早く現金化したい人などは「買取」を選択することが多い傾向にあります。
7-2.内覧対応の手間を省きたい人
買取をしたほうがいい人の2つめの特徴は、「内覧対応の手間を省きたい人」です。
先述の通り、仲介では購入希望者が複数回、購入検討のために内覧に来るために、その都度掃除をしたり、内覧に来る人の対応をしなくてはならず、手間がかかります。
その一方で、買取では不動産会社が買主となるので、内覧の準備は必要なく、手間を省くことができるのです。
そのため、内覧の準備や対応をする手間をかけたくない人は、買取に向いていると言えるでしょう。
7-3.近所の人に知られずに売却したい人
買取をしたほうがいい人の3つめの特徴は、「近所の人に知られずに売却したい人」です。
買取では不動産会社が買主となるため、近隣住民に向けたチラシ配布やWEBでの掲載などの販促活動が不要です。そのため、近所の人や知り合いに住宅の売却バレることはありません。
「近所の人に売却がバレたくない」「住宅の売却を知られることで変な噂を立てられるのを避けたい」という人には、買取がおすすめです。
7-4.売れにくい物件を売却したい人
買取をしたほうがいい人の4つめの特徴は、「売れにくい物件を売却したい人」です。
たとえば古い物件や事故物件、人気のないエリアなど、売れにくい条件の住宅を売却したいと考えている人は、仲介で売却をしようとしてもなかなか買い手がつきません。
一方で、買取であれば不動産会社が物件を買い取ってくれるので、売れにくい条件のある住宅でも「なかなか住宅が売れない…」という事態に陥らなくて済むのです。
そのため売れにくい物件を売却したい人に、買取はおすすめと言えるでしょう。
8.住宅の買取をしないほうがいい人
次に住宅の買取をしないほうがいい人をご紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
8-1.できるだけ高値で売却したい人
買取をしないほうがいい人の1つめの特徴は、「できるだけ高値で売却したい人」です。
買取では、仲介の売却金額から3割程度引かれた金額で買取をしてもらうことになります。そのため、できるだけ高値で売却をしたいと考えている人には向かない取引方法なのです。
たとえば、市場価値が3000万円の住宅があったとします。この場合、仲介では3000万円で売却ができる可能性がありますが、買取では2100万円にまで値下がりしてしまいます。
もし「できるだけ高値で売却をしたい!」と考えている場合は、買取ではなく、仲介での売却がおすすめです。
8-2.売却を急いでいない人
買取をしないほうがいい人の2つめの特徴は、「売却を急いでいない人」です。
買取では数日〜1ヶ月程度で取引が完了するため、すぐに売却ができる一方で、市場価格よりも安い金額でしか売却ができません。
一方で仲介では、買主が見つかるまで3ヶ月〜半年、もしくはそれ以上の期間売れない可能性はあるものの、買取より高値で売れる可能性があります。
つまり、もし売却を急いでいないのなら、市場価格より安い金額で売却することになる買取を選択するより、仲介を選んだ方が良いのです。
したがって、もし急いで売却をしなければならない事情がないのであれば、買取ではなく、仲介での売却をおすすめします。
8-3.市場価値の高い物件を売却したい人
買取をしないほうがいい人の3つめの特徴は、「市場価値の高い物件を売却したい人」です。
たとえば築浅の住宅や、駅近などの立地条件が良い住宅、最新設備が備わっていたり、内装が綺麗な住宅の場合、市場価値が高く、高値で売れる可能性があります。
そうした場合に買取を選んでしまうと、せっかく高値で売れる機会を損ない、市場価格よりも低い金額で不動産会社に売却することになってしまうのです。
一方で仲介では、市場価値の高い物件は高値で売れます。
したがって、市場価値の高い物件を売却したい場合は、買取を選ぶのではなく、仲介を選択して、高値で売れるようにすると良いでしょう。
9.住宅の買取相場は仲介の7割!その理由は?
本記事では、住宅の買取相場は仲介の価格の7割になってしまうことをお伝えしてきました。
ここで「なぜ買取相場は仲介よりも安くなってしまうの?」と疑問に感じている人のために、本章では、住宅の買取相場が仲介よりも安くなってしまう、以下の3つの理由を解説します。
9-1.【理由①】リフォーム・リノベーション費用を差し引くから
1つめの理由は、「リフォーム・リノベーション費用を差し引くから」です。
不動産会社が買い取った中古住宅をそのまま売っても、その家を欲しいと思ってくれる人はなかなか見つかりません。そのため、住宅の故障部分を修繕したり、リフォーム・リノベーションをして、住宅に付加価値をつけることで、買い手が見つかりやすくなり、家を高く売ることができます。
そのような事情があり、不動産会社はリフォームやリノベーションをする前提で住宅を買い取るので、その分の買取価格は安くなってしまうのです。
9-2.【理由②】利益分を差し引くから
2つめの理由は、「利益分を差し引くから」です。
不動産会社は買取の際に仲介手数料をもらうことができないため、再販する際に利益を出しています。
再販時には先述した「リフォーム費用」が多くかかるだけでなく、再販で得た利益から「人件費」や「宣伝広告費」もまかなわねばなりません。
そのため、不動産会社に確実に利益が出るように買取金額を決めておかないと、不動産会社に儲けがなくなってしまうのです。
このように不動産会社は、仲介手数料をもらわないかわりに、市場価格より買取金額を安く決めることで、「買取→再販」で利益を出しているのです。
9-3.【理由③】売主自身が安い買取金額でも了承してしまうから
3つめの理由は、「売主自身が安い買取金額でも了承してしまうから」です。
売主は次のような理由で早く住宅を売却したいと考えているケースが多くあります。
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そのため、相場価格で買取をしてもらうよりも、早く売ることのほうが優先順位が高いので、買取価格が安くても売主は了承してしまいます。
また、精神的に余裕がなく、「早く住宅を手放したい」と焦る気持ちから、複数業者へ査定依頼をすることなく、1社から提示された買取価格をそのまま受け入れてしまうというケースも少なくありません。
このように売主が、金額よりも「早く売れること」を優先に考えているため、どうしても市場価格より安くなってしまうのです。
▼住宅の買取相場について詳しく知りたい方はこちら! さらに「住宅の築年数別の買取相場」や、「住宅の買取相場を知るための方法」、「できるだけ住宅を高く買い取ってもらうための方法」を知りたい方はぜひ、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。 |
10.住宅買取で失敗しないためのポイントは査定を複数社に依頼すること
ここまで記事を読んで、買取を検討しようと考え始めた人の中には、「できれば買取で失敗したくない…!」と感じている人も多いかもしれません。
住宅買取で失敗をしないためにはずばり、「査定を複数社に依頼する」のがポイントです。
不動産会社の査定価格は、業者によってばらつきがあります。そのため、複数社に査定を依頼して比較をすることで、より良い条件で買い取ってくれる不動産会社を選択することができるのです。
そこでおすすめなのが、「一括査定」というサービスです。
一括査定とは、中古住宅の築年数や住所、間取りや面積などの基本情報を入力するだけで、複数の不動産会社へ一度に査定依頼をすることができるサービスです。
そして複数の査定結果を見比べて、買い取ってもらいたい会社を選ぶこともでき、非常に便利なツールなのです。
当サイトを運営しているホームセレクトでも、「複数いっかつ査定」という一括査定サービスを無料でご提供しています。
「一括査定を利用してみたい!」と思った方は、ぜひご活用ください。
11.まとめ
この記事では、住宅買取についての基礎知識やそのメリット・デメリットについて解説をしました。
ここで改めて本記事の内容をおさらいしてみましょう。
◆住宅の買取とは
- 「買取」とは、不動産会社が売主から直接、住宅を買い取る取引方法
- 仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に立ち、住宅の売買取引を成立させる方法
◆買取と仲介の違い
買取 |
仲介 |
|
買主 |
不動産会社 |
個人 |
売却期間 |
数日〜1ヶ月程度 |
3〜6ヶ月程度 |
売却価格 |
安くなる可能性が高い |
相場価格 |
仲介手数料 |
なし |
あり |
内覧対応 |
なし |
あり |
契約不適合責任 |
なし |
あり |
◆買取には「即時買取」と「買取保証」の2パターンがある
▼不動産会社による買取の方法2パターン ◆即時買取 ◆買取保証 |
◆住宅買取の流れ8ステップ
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◆住宅買取5つのメリット
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◆住宅買取2つのデメリット
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◆住宅の買取をしたほうがいい人
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◆住宅の買取をしないほうがいい人
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◆住宅の買取相場は仲介の7割
◆住宅買取で失敗しないためのポイントは査定を複数社に依頼すること