築5年の一戸建てを急に手放さなくてはならなくなった場合、「出来るだけ高く売りたい」とお考えの方もいるでしょう。
もしも築5年の一戸建てを売るかどうかお考えであれば、早急に売却のための行動を始めることをおすすめします。
なぜなら、築浅物件の値下がりは早く、悩んでいる間に資産価値が下落していくからです。
本記事では、以下の内容をご説明しています。
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「どうやって売却すればいいのかわからない」「少しでも高く売却したい」とお考えの方は、この記事を読むことで築5年一戸建てを高く売却する方法や、早く売却する方法がわかります。
ぜひ最後までお読みください。
目次
1.築5年の一戸建ては早期売却すべき!
冒頭でもお伝えしたとおり、築5年の一戸建てを売却しようと考えているのであれば、出来るだけ早く売却をしましょう。
なぜなら、築年数とともに売却相場はどんどん下落してしまうからです。
ではまず、
- 築5年一戸建ての売却相場
- 築年数と売却相場の関係
これらについて、説明していきます。
1-1.築5年一戸建ての売却相場は物件購入時の70%
以下のグラフは、国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム 市場の現状」に掲載されている価格査定の例です。
このグラフによると、築5年一戸建ての資産価値は購入時に比べて約30%値下がりしていることがわかります。
つまり、4,000万円で購入した一戸建てなら5年で2,800万円まで売却相場が下落するということです。
1-2.築年数が経つごとに売却価格が大きく下がる
なぜ、早期売却が望ましいのかというと上記のグラフでわかるとおり、築15年あたりまで築年数が1年増えるごとに約5%ずつ資産価値が下落するからです。
4,000万円で購入した一戸建てであれば、
- 築6年…2,600万円
- 築7年…2,400万円
- 築8年…2,200万円
このように毎年約200万円ずつ価値が下がります。
そのため、売却を決めたら早く行動を始めることが非常に大切なのです。
1-3.築5年の一戸建てを高く売りたいなら工夫が必要
築年数が5年しか経っていない築浅物件であれば、「もっと高く売れる」と考えていた方もいるでしょう。
築5年の一戸建ては築浅物件ではありますが、中古物件であることに変わりはありません。
物件は人が住んだ瞬間に価値が下がると言われています。
なぜなら日本は新品を好む傾向にあり、人が暮らして中古となった瞬間に「新品」ではなくなることから、その分価値が減ってしまうのです。
築5年の一戸建てを少しでも高く売却したいのであれば、この後ご説明する方法を試してみましょう。
2.築5年一戸建てを高く売却するためのポイント4つ
築5年の一戸建てを高く売却するためには、不動産会社に任せきりではいけません。
不動産会社を選ぶ前の段階から自分で動き、工夫をしましょう。
築5年一戸建てを高く売却するポイントは以下の4つ。
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これらのポイントについて、詳しく説明していきます。
2-1.適正価格で売り出す
適正価格とは、周辺エリアの相場に沿った価格のことです。
売り出し価格が高すぎれば売れず、安すぎれば損をしてしまいますよね。
適正な価格で売るためにも、自分で相場を調べておくことはとても重要なのです。
相場を知っておくことで、不動産会社が提示する査定額が適正であるかを判断する材料になります。
少しでも高く売却したいのであれば、売り出し価格の基準となる相場を知りましょう。
査定前に相場を調べる方法は以下の2つの方法があります。
- レインズマーケットインフォメーションを利用して類似物件の過去の取引額を確認する
- 大手不動産ポータルサイトを利用して類似物件の現在の売却価格を確認する
このような方法で、周辺エリアの類似物件はどの程度の価格で取引されているかを確認しましょう。
相場の調べ方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
➡家の売却相場はいくら?最新の相場動向と自分の家の相場を調べる方法
地域ごとの最新相場を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
➡不動産売却では相場を知ることが重要?令和2年の相場を解説
2-2.一戸建ての売却に強い不動産会社を選ぶ
一戸建て売却が得意な不動産会社やマンション売却が得意な不動産会社など、不動産会社によって得意としているものが異なります。
自分たちで売却のためにできることもありますが、実際に販売活動を行うのは不動産会社であるため、どの不動産会社に任せるべきかが中古物件売却成功のカギであるといっても過言ではありません。
数ある不動産会社の中から、信頼して任せられる不動産会社を選ぶためには以下のことを行いましょう。
では、不動産会社選びの進め方について1つずつ説明していきます。
2-2-1.複数の不動産会社に査定を依頼
不動産会社を選ぶ際に、「複数」の不動産会社に査定を依頼しましょう。
なぜ複数に依頼する必要があるかというと、1社だけに査定を依頼した場合、
- その不動産会社が信頼して任せられるのか
- 査定額が高すぎたり低すぎたりしていないか
このようなポイントを他社と比べることができないため、不動産会社選びを失敗してしまう可能性があるからです。
そのため、不動産会社に査定を依頼する場合は必ず複数社に依頼をしましょう。
査定依頼をする場合、
- 物件所在地
- 土地の広さ
- 建物の大きさ
- 築年数
- 間取り
上記のような情報を入力する必要があります。
何度も同じ内容を入力するのは非常に手間となるため、査定依頼をする際には一括査定を利用しましょう。
一括査定をする場合は、当サイトを運営するホームセレクトの無料サービス「複数いっかつ査定」をご利用ください。
査定方法には、
- 簡易査定
- 訪問査定
の2種類がありますが、不動産会社を選ぶなら正確に査定してもらえる訪問査定を選びましょう。
査定の種類について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
➡不動産は査定が重要!査定方法について解説
2-2-2.不動産会社の取引実績を確認
査定をしてもらう際に不動産会社をいくつか選択する必要がありますが、不動産会社を選ぶ基準は「一戸建ての売却に強い不動産会社」を選ぶことです。
過去の取引実績を確認し、実績が多い取引ほどその不動産会社が得意とする分野であることがわかります。
不動産会社に連絡して、事前に実績の確認をしましょう。
2-2-3.査定額の根拠を確認
訪問査定が終わり、不動産会社ごとに査定額が提示されたら「その査定額となった根拠」を確認しましょう。
不動産会社の中には、契約欲しさに高い査定額を提示しておいて、いざ売りに出したらすぐに値下げをするように言ってくるようなところもあります。
そのような不動産会社に引っかからないためにも、なぜその査定額を出したのか明確に答えられる不動産会社を選んでください。
査定額はあくまでも「売れるであろう金額」であり、査定額で買い取ってもらえるわけではないことを覚えておきましょう。
2-3.室内を魅力的に見せる
築5年であれば傷みや汚れがひどい部分はあまりないと思いますが、生活感のある部屋では「こんな部屋に住みたい」と思ってもらえません。
高く売りたいのであればモデルルームのような魅力的な空間作りを目指しましょう。
室内を魅力的に見せるための方法は以下の通り。
- 整理整頓と掃除を徹底的に行う
- 汚れが取れない箇所はハウスクリーニングを利用する
- ホームステージングを利用する
これらを1つずつご説明します。
2-3-1.整理整頓と掃除を徹底的に行う
特に汚れていないと感じても、整理整頓と掃除は徹底的に行いましょう。
特に重点的に掃除をした方がいい箇所は以下の通りです。
- 玄関
- 風呂、トイレ
- キッチン
- 壁や床
- ベランダ
これらは内覧の際に念入りにチェックされやすい場所ですので、時間をかけて掃除しましょう。
部屋がすっきりと清潔に見えるよう、出しっぱなしになっているものは可能な限り片付けて、整理整頓も忘れずに行ってください。
2-3-2.汚れが取れない箇所はハウスクリーニングを利用する
自分では落としきれない汚れがあっても放置はおすすめできません。
特に、水回りの水垢やカビ、壁や床の取れない汚れなどは内覧の際に目に付きやすくマイナスポイントとなってしまう可能性があります。
そのような汚れがある場合は、ハウスクリーニングに依頼してみてください。
部分的なハウスクリーニングなら費用も高くないので、プロに任せてきれいにしてもらいましょう。
2-3-3.ホームステージングを利用する
ホームステージングとは、家具や小物を飾ることでモデルルームのように空間を演出をするサービスです。
築5年という築浅物件だからこそ、ホームステージングを利用することで物件の魅力をさらに引き出すことができます。
ホームステージングをすると物件の売却期間も短くなることが分かっており、以下のように3カ月以内に売却が決まった物件は全体の80%を占めています。
◆ホームステージングしてから成約するまでの期間
ホームステージングにかかる費用平均は約15万円ですが、ホームステージングをした場合は当初の査定額よりも平均23万円高く売却できており、費用分以上の効果を発揮してくれます。
空き家でも居住中でも利用可能なので、検討をしてみましょう。
2-4.売れる時期に売却を間に合わせる
不動産がもっとも売れるのは3月、次いで9月と言われています。
なぜなら、3月は新生活に向けて引っ越しをする人が多く、9月は10月に転勤となる人がいるためです。
これは、3月や9月に売却を始めればいいというわけではありません。
不動産の売買には時間がかかるため、以下の時期に売り出しましょう。
- 3月に売却…12月〜1月に売り出し
- 9月に売却…6〜7月に売り出し
しかし、まったく異なる時期に売却を決めたのであれば、売れる時期は待たずに売却を開始しましょう。
売れる時期に合わせるのは、あくまでも売り出しを急げば間に合う場合です。
早期売却は念頭に置いておきましょう。
3.築5年の一戸建て売却の流れ
物件売却を行う場合、スムーズに売り出すために売却の大まかな流れは知っておくべきです。
売却までの流れは以下の通り。
不動産売却の流れ
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売却までの流れを把握しておくことで事前に対策が打ちやすくなるため、売却活動を始める前に全体像を理解して多くことは非常に重要です。
以下の記事で売却の流れについてわかりやすく説明しているので、参考にしてみてください。
➡不動産売却の流れを図解!見るだけで何をすべきか理解できる保存版
4.築5年一戸建ての売却時にローンが残っている場合はどうすべき?
住宅ローンが残っている物件を売却できるかどうかは、結論から言うと可能です。
ただし、住宅ローンを完済しなければ抵当権が抹消されないため、残っている住宅ローンは完済しなければなりません。
住宅ローンを完済するための方法は以下の3つです。
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返済方法についてご説明します。
〈抵当権とは?〉 |
4-1.物件を売却したお金で返済
住宅ローンが残っている物件を売却する場合、売却益がローン残債以上であれば一括返済できます。
住宅ローンが2,500万円残っている物件が3,000万円で売れた場合は、500万円が利益となり、住宅ローンも全額返済ができるということです。
4-2.自己資金で返済
物件を売却して住宅ローンを支払ったとしても、物件の売却金額が住宅ローンの残債よりも少ないことの方が多いでしょう。
その場合は、貯金などの自己資金をプラスして返済をすることになります。
2,500万円の住宅ローンが残っている物件が2,000万円で売れた場合は、残りの500万円を貯金などから捻出して一括返済するということです。
4-3.住み替えローン(買い替えローン)の利用
住まいの住み替えの場合は、住み替えローンという選択肢も。
住み替えローンを利用すると、住み替えで購入する住宅ローンに売却した住宅ローンの残債が上乗せされます。
住宅ローンが2,500万円残っている状態の物件が2,000万円で売れた場合、500万円の残債が残ります。
新たに購入した物件の住宅ローンが3,000万円であれば、残債の500万円が上乗せされ3,500万円の住宅ローンとなるということです。
しかし、上乗せされた分返済額が大きくなるため、返済計画は慎重に立てましょう。
住宅ローンが残っている場合の売却について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
➡住宅ローンが残っていても不動産は売却できる!売却方法や流れを解説
5.築5年一戸建てを安易に賃貸にしてはいけないワケ
築5年の一戸建てなら傷みも少なく賃貸にすることを検討する方もいるでしょう。
しかし、賃貸には以下のようなリスクがあります。
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もしも賃貸にすることを考えているのであれば、リスクを理解して検討しなければなりません。
では、それぞれのリスクについてご説明します。
5-1.ローンの金利が上がる可能性がある
現在、住宅ローンの返済中という方が多いと思いますが、住宅ローンでは賃貸にすることはできません。
賃貸にする場合は「賃貸経営」となるため、賃貸用ローンに切り替えなくてはならないのです。
賃貸用ローンに切り替えた場合、住宅ローンよりも金利が上がってしまうことは避けられないでしょう。
例外として、転勤の間だけの短期間のみ賃貸にする「定期借家」の場合は住宅ローンのまま賃貸にすることができる場合もあります。 |
5-2.空室による赤字のリスクがある
一戸建ての賃貸経営の場合、家賃収入は0か100かです。
誰にも借りてもらえなければ当然家賃収入はなく、ローンや税金だけを払い続けることになります。
また、入居者が決まらなければ賃料を下げざるを得なくなってしまい、計画通りに収入を得られない可能性もあるでしょう。
5-3.入居者トラブルのリスクがある
入居者がどのような人物かは、入居してからでないとわかりません。
入居者が騒音やゴミ出しなどでご近所トラブルを起こすような人物であったり、家賃を滞納される可能性もあります。
そのようなことがあっても段階を踏んだ対処が必要となるため、すぐに退去してもらうということもできず、何度もトラブルに対応しなければならないということもあるでしょう。
5-4.資産価値が目減りする
賃貸にしている間に築年数が経過すれば、当然のその分資産価値は低下していきます。
賃貸がうまくいかず、やはり売却をしようと考えた時には資産価値が大幅に下落しているということもあるでしょう。
木造一戸建ては築15年で資産価値が約20%まで下がることを覚えておかなくてはなりません。
6.高く売るより早く売ることを優先するなら不動産買取を利用する
なるべく高く売ることよりも、早く売りたい場合は不動産買取という選択肢もあります。
不動産買取は仲介で個人に売るのではなく、不動産会社が買い取ってくれるため非常にスムーズな売却が可能となります。
不動産買取のメリットは以下の4つ。
- 売却活動が必要ない
- 売却を完了するまでが早ければ数日しかかからない
- 仲介手数料を支払う必要がない
- 売却後の瑕疵担保責任がない
このように仲介よりも売却にかかるストレスも減らすことができるでしょう。
不動産買取の注意点 注意しなければいけないのは不動産買取だと売却価格が仲介よりも3~4割ほど減ってしまうことです。 不動産買取は、以下のような人におすすめです。 ・とにかく早く売却をしたい人 早く売却しなくても大丈夫なのに最初から不動産売却を選んでしまうと、損をしてしまう可能性が高いので気を付けましょう。 |
少しでも不動産を高く買取してもらいたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
➡【家の買取】2日で売れるが仲介の3割減!損をしない4つのコツ
➡空き家買取とは?仲介との違いや向いている人・売却までの流れを解説
➡不動産の買取とは不動産会社が直接買い取ること|おすすめな人の条件
7.まとめ
築5年一戸建ての売却相場は購入時の70%ですが、これは築15年まで資産価値が大きく下落し続けることが原因です。
そのため築5年一戸建てを高く売却したいのであれば、早期売却が大前提となります。
高く売却したいのであれば、以下の4つのことを試してみましょう。
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もしも、売却時にローンが残っていても売却することはできますが、物件の売却益で全額支払えなかった場合は、自己資金から残りを支払うか、買い替えローンを利用することになります。
築5年一戸建てを賃貸にするかお悩みの方もいるかもしれませんが、以下のリスクがあることを覚えておきましょう。
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高く売ることよりも、早く売ることの方が重要な方は、不動産買取を検討してみてください。