不動産購入コラム
「建売住宅にしておけばよかった」憧れの注文住宅で後悔する理由を解説
念願の注文住宅を建てたものの、「建売住宅にしておけばよかった」と後悔する声は少なくありません。
すべてオーダーメイドで、こだわりが詰まっているはずの注文住宅。
なぜ、後悔してしまうのでしょうか?
今回は、憧れの注文住宅で後悔してしまう理由を解説していきます。
「注文住宅のデメリットを知っておきたい」人や「建売住宅と迷っている」人は、購入時の参考にしてください。
理想を反映させた注文住宅なのに後悔してしまう理由
間取りも外観もすべてオーダーメイド。
家族のこだわりと理想がつまった注文住宅で、「後悔した」「建売住宅にしておけばよかった」という声があるのはなぜでしょうか。
理由は、以下の5つです。
・時間やコストがかかるぶん、期待値が高くなりすぎてしまった
・現物を見て購入できないから建築後に理想とのギャップを感じてしまった
・割安でしっかりした建売住宅の存在を知ってしまった
・不便な立地に建ててしまった
・個性的すぎて売却時に資産価値が下がってしまう
注文住宅は現物が建つ前に理想が膨らみすぎてしまい、現実と理想のギャップが大きくなってしまうことが原因なのです。
詳しく解説していきましょう。
理由①時間やコストがかかるから期待値も高くなる
注文住宅は建売住宅よりも時間とコストがかかるため、どうしても家に対する期待値が高くなってしまいます。
家族全員で納得のいく間取りを決めるまでに何度も話し合いを重ね、数ヶ月かけて世界に一つの建築プランを作る。インテリアプランナーに相談し、とことんこだわり抜いた床材や壁紙。でも実際に完成後の家を見ると「建売住宅とよく似た間取りで、家の雰囲気も似ている」なんてこともあります。
建売住宅は、汎用性の高い間取りとデザインで作られています。万人に受けるよう計算して設計されているため、よくできているのです。片や注文住宅には、時間とお金をふんだんに使って建てたという過程があります。そのため「これだけ苦労して建てたのに、なぜあそこの建売住宅と同じような作りなのか」と気になり、後悔してしまう。
期待値が高ければ高いほど、こうした後悔をしやすくなるでしょう。
理由②現物を見て購入できない
注文住宅は図面から作ってオリジナルの家を建てるため、現物を見てから購入することができません。それゆえ、頭の中で描く理想の暮らしと、現実の暮らしとのギャップが大きくなりやすいのです。
建売住宅の場合、すでに完成済の住宅を見てから購入できるケースが多いため、理想と現実のギャップはそれほど大きくなりません。
「建売住宅だし……安いからこんなものだろう」と思っている人も多いのではないでしょうか。
一方で注文住宅は、世界に一つの設計プランを元に家を作ってきたという過程があります。家づくりの最中に夢が膨らみ続けてしまうため、理想と現実のギャップがどうしても大きくなってしまうのでしょう。
しかし住宅とは、ただ美しい間取りを眺めるものではなく、実際に人が住むことで機能するもの。人が住むものである以上、「思ったより日当たりが悪いな」「収納が足りないな」と後悔するポイントがあるのは当然です。ただ注文住宅だと時間をかけて作ってきたという過程があるため、少しの後悔も許せなくなってしまうのではないでしょうか。
理由③割安でしっかりした建売住宅と比べてしまう
「家の近くにもっと割安でおしゃれな建売住宅があるのを知り、つい比べてしまう」これもよくある後悔事例です。
最近の建売住宅はおしゃれでスタイリッシュな外観のものが増えています。間取りや仕様についても選べるケースが多いため、注文住宅ほどではなくても、ある程度家族の好みにあわせた家づくりが可能です。
近所の建売住宅にお邪魔したら、意外とおしゃれで内装も充実している。それでいてコストも割安となれば、「自分も建売住宅でオプションを付けるだけでよかったかも」と思ってしまうのではないでしょうか。
理由④利便性のよくない立地に建ててしまった
注文住宅で大変なのは、土地の確保です。
建売住宅だと、業者が大きな土地を買って分譲するケースが多く、注文住宅に比べて利便性の良い立地を確保しやすいという特徴があります。
対して注文住宅は「一軒屋分だけ」のスペースでちょうど良い土地を探さなければなりません。建築予算が膨らむ関係で、郊外に家を建てて土地の費用を抑える人もいらっしゃるでしょう。しかし土地費用を抑えて家の建築にこだわりを詰めても、土地の利便性が悪ければ生活の質が下がってしまう恐れがあります。
通勤や通学に時間がかかり、家族で過ごす時間が少ないとなると、何のためのマイホームかわかりません。利便性のよくない土地に建てると、こうした後悔を引き起こすこともあるので留意しましょう。
理由⑤個性的な家は売却時に資産価値が下がる可能性
注文住宅では内観も外観も、個人のこだわりを強く反映できることが強みです。
一方で個性的な家は資産価値が下がりやすく、将来的に家の売却を考えたときに後悔する可能性が出てきます。もちろん、永住するのであれば何も問題はありません。しかし家が手狭になり、より便利な場所に引っ越したいと思うこともあるでしょう。もし売却時に資産価値がマイナスになっていれば、ローンを完済できないかもしれません。また個性が強すぎるゆえに、売却相手が見つからないという懸念もあるでしょう。
その点、万人受けに特化した汎用性の高い間取りの建売住宅では、個性がないぶん資産価値が下がりにくい特徴があります。将来的な資産価値を考えるのであれば、こだわりの強い注文住宅にはこうしたデメリットがある点も覚えておきましょう。
後悔の根本には「これだけお金をかけたのに」という思いがある
注文住宅の後悔事例を見ていくと、根本には「これだけお金をかけたのに」という思いがあることがわかります。
たとえば、あなたがお金を貯めて1点もののブランドバッグを30万円で買ったとします。
しかし友人が5万円くらいで買ったノーブランドのバッグを持ち、その姿がおしゃれでキマっていたらどう思うでしょうか。
ここで少しでもモヤモヤしてしまう人は、住宅購入においても後悔してしまう可能性が高いです。自分のほうが高いブランドバッグを持っているのに、おしゃれなノーブランドバッグを見てモヤモヤした気持ちを感じるのは、ギリギリの予算で購入しているからではないでしょうか。
時間も資金も余裕がある中での買い物であれば、「自分はこれだけお金をかけたのに」とは思わないもの。
しかし、少し背伸びをしてギリギリの予算で買ってしまうと、他の人と自分を比べてしまいます。
したがって注文住宅で後悔したくない人は、余裕のある購入計画になっているかどうかを見直しましょう。
無理をして理想の家を建てても、ローン比率が高ければ家計にも余裕がなくなります。不便な場所に建てれば、通勤・通学に時間がかかり、家族と過ごす時間じたいが少なくなってしまいます。
つまり無理をして建てる注文住宅は、生活の質が下がって不満につながることもあるのです。その点、建売住宅だと予算がはっきりしていてわかりやすいので、余裕をもった住宅購入が可能です。もちろん建売住宅にも、メリット・デメリットはあります。
ですが、「これだけお金をかけたのに」と後悔することを防ぐためには、余裕をもった資金計画を立てることが重要ではないでしょうか。
「建売住宅は質が悪い」は間違い!後悔のない住宅購入をするために
注文住宅の後悔事例やデメリットを見てきて「たしかに建売住宅は安くて魅力。でも質も悪いのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、建売住宅が安い理由は大量の仕入れによるシステム化にあります。
建売住宅は一つの広大な土地を分割して、同じ仕様の住宅を効率的に何棟も建てていくことで、コストを抑えた家づくりを可能にしているのです。つまり安さの理由は、住宅の質ではありません。住宅の質や寿命は、建売住宅でも注文住宅でもそれほど大きく変わらないのです。
大切なのは、建売住宅か注文住宅かという視点ではなく、工務店やハウスメーカー選びにあります。そのため建売住宅を購入する際は、その地域で多数の販売実績がある不動産会社からの購入をおすすめします。地域に根ざした不動産会社であれば、地元密着でたしかな技術のある工務店と提携していたり、駅近で便利な立地の土地をまとめて購入できたりします。予算に余裕をもって購入すれば、あとあとリフォームすることも可能でしょう。
マイホームは、完成して住み始めてからの「生活」が何より大切です。
ゆとりある家族の暮らしを実現するためにも、ゆとりある資金計画でマイホームを購入するようにしてください。
まとめ
こだわり抜いた注文住宅を建てたのに「建売住宅にしておけばよかった」と思ってしまう気持ちの根本には、「これだけお金をかけたのに」という思いがあります。
資金的に余裕がある中での注文住宅であれば、他の家と比べて悔しい気持ちになることは少ないでしょう。
どうしても後悔したくないのであれば、
・資金計画には余裕を持つ
・期待値を高くしすぎないこと
・便利な立地に建てる
ことが大切です。
もし予算ギリギリで注文住宅を考えている場合は、建売住宅の購入も視野に入れましょう。なぜなら建売住宅の間取りやデザインは、建築のプロが万人に受けるように練り上げたものだから。
注文住宅と比べても遜色のない建売住宅もあるため、建売住宅でも理想どおりのマイホームを持つことは十分可能です。
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