「戸建てを売却したいが、どうすればいいのかわからない…」
あなたは、所有している戸建てを売却したいのかもしれませんね。
しかし、「どうやって売却すればいいのか」がわからず、本記事にたどり着いたのではないでしょうか。
結論からいえば、戸建ての売却は、以下の6STEPです。
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売却する際、知識ゼロの人が、いきなり売買を行おうのは大きなリスクがあります。
押さえるべきポイントを知っておかないと、不動産仲介会社に低く査定されて、適正価格で売却できないことがあるからです。
戸建て(一軒家)の売却には、細心の注意が必要なのです。
そこで本記事では、以下について解説します。
本記事でわかること |
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この記事を読めば、戸建ての売却におけるポイントがわかるため、適正価格で売却できる可能性がアップします。
それでは早速、みていきましょう。
1. 戸建てを売却する流れ6STEP
「戸建てを売却したいが、何から始めたらいいのかわからない」という方のために、まずは「売却までのの流れ」について説明します。
戸建てを売却する流れ6STEP |
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一つずつ、みていきましょう。
1-1. 【STEP1】売却価格を調べる
戸建ての売却時に重要なのが「売却価格」です。
不動産には、相場(適正価格)があります。
相場を知ることで「売主の利益を最大化しつつ、売れやすい価格」がわかります。
所有する戸建ての適正な売却価格を調査する方法はいくつかありますが、おすすめは以下の2つです。
戸建ての「適正な売却価格」を調査する方法 |
①国土交通省による「土地総合情報システム」の活用 |
①国土交通省による「土地総合情報システム」の活用
国土交通省が、不動産取引を行った人たちに行ったアンケート結果をまとめたデータベースです。
「取引時期」「種別(宅地・土地・中古マンション・農地など)」「地域(都道府県・市区町村)」を入力すると、指定した時期・種別・地域で行われた「不動産売買」における詳細情報を調べることができます。
例えば、以下の内容で入力した場合。
- 時期:2021年第1四半期
- 種類:宅地
- 地域:東京都世田谷区尾山台
10件の物件が、ヒットしました。
そして、物件ごとに、以下のような情報を確認できます。
「土地総合情報システム」で表示される情報 |
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項目 |
記載例 |
種類 |
土地と建物 |
所在地 |
世田谷区 尾山台 |
地域 |
住宅地 |
最寄駅 |
(名称)尾山台 (距離)5分 |
取引総額 |
9200万円 |
坪単価 |
- |
面積 |
95㎡ |
㎡単価 |
- |
形状 |
正方形 |
延床面積 |
150㎡ |
建築年 |
平成12年 |
構造 |
鉄骨造 |
用途 |
共同住宅 |
今後の利用目的 |
住宅 |
幅員 |
6.9m |
種類 |
区道 |
方位 |
西 |
都市計画 |
1中住専 |
建ぺい率 |
60% |
容積率 |
200% |
取引時期 |
令和2年10-12月 |
出典:土地総合情報システム「不動産取引価格情報(宅地)」指定条件による検索結果
リストアップされた物件情報のなかから、売却予定の物件に近い条件の物件情報をチェックすれば、物件の相場がわかるというわけです。
直感的で使いやすいサイトなので、サクッと売却価格を調べたいときにおすすめです。
②複数の不動産事業者による「無料査定」が受けられる「一括査定サイト」
複数の不動産事業者に、物件の相場価格を査定してもらうのも、おすすめの手法です。
実際の物件の状況に基づいて査定するため、精緻な物件相場価格を調べられるからです。
査定料金は通常「完全無料」です。加えて、査定を依頼したからといって売却の依頼をしなければならないわけではありません。査定依頼には、デメリットが一切ないのです。
「売却益を最大限残しながら、売れやすい『ベストな査定価格』を把握しておきたい」という場合には、一括査定サイトを利用しましょう。
1-2. 【STEP2】書類の準備を行う
査定価格の把握ができたら、少しずつ「書類の準備」を行いましょう。
取得に時間がかかる書類もあるため、なるべく早い段階で、コツコツと準備を進めていくことが大切です。
自分一人で用意する自信がない場合は、不動産事業者に相談するなどして進めてみてください。
売主が準備するべき書類は、以下の8つです。
【 戸建てを売却する際に必要な書類 】 |
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登記簿謄本 |
不動産の登記事項(所在地・面積・所有者・権利関係・構造など)が記載されたもの。いずれかを法務局で取得する |
売買契約書 |
物件の購入時に、不動産事業者や以前の家主との間で交わした契約書。契約日、引き渡し日、売却額、手付金額、物件の状態、特約などについて記載されている。譲渡所得税を計算するために取得する必要がある |
重要事項説明書 |
売買契約時に、買主に対して告知すべき「重要事項」をまとめた説明書。法令に基づく制限・飲用水などの供給施設・排水施設・契約の解除に関する事項・瑕疵担保責任の概要など、内容は多岐にわたる |
登記済権利書 |
登記名義人が物件の所有者であることを証明する情報。法務局より取得する |
土地測量図・境界確認書 |
売却予定の戸建てにおける土地の面積や、隣地との境界線などを記載した書面。手元に書面がない場合は、測量会社から再取得するか、測量を依頼する必要がある |
固定資産税納税通知書 |
「固定資産税納税通知書」は、不動産(土地・建物)の所有にかかる税額を通知したもの。不動産の売却時の登録免許税を計算するために必要 「固定資産税評価証明書」は、不動産(土地・建物)の評価額を証明するもの。不動産価格の目安を把握できる。この書面に記されている評価額をもとに固定資産税が計算されるため必要 |
物件の図面 |
「物件の図面」は、間取り図のこと。「住みやすい導線の家か」「家族構成に合った間取りか」などについて、買主が検討する際に必要な情報。 「設備の仕様書」は、設備の材質・品番・購入年数などをまとめたもの。部屋や浴槽、トイレのリフォーム、キッチンや壁紙の新調などに関する情報は、アピールポイントになるため、詳細にそろえておきたい |
建築確認済証 |
「建築確認済証」は、建築基準法に則って建築された物件であることを証明する書類。 「検査済証」は、建築基準法で定められた3つのチェック「建築確認・中間検査・完了検査」がすべて完了していることを認める書類。 買主に安心して物件を購入してもらうために揃えておきたい |
1-3. 【STEP3】不動産事業者を選ぶ
書類の準備を進めつつ、仲介を依頼する「不動産事業者」の選定も進めていきましょう。
一口に不動産事業者といってもさまざまありますが、「餅は餅屋」という言葉もある通り、戸建ての売却実績が豊富な不動産事業者に依頼した方が安心です。
なるべく「戸建ての不動産売買の仲介実績が豊富な会社」に依頼しましょう。
昨今、不動産事業者は多種多様なサービスを提供しています。
以下に挙げるすべての項目を満たす事業者はそう多くありませんが、該当項目が多いほど、戸建売却には有利です。
そのため、以下の5点についてもチェックしてください。
優先順に並べましたので、①から順にチェックしてみてください。
不動産事業者を選ぶときのチェックポイント |
①「宅地建物取引業」の免許を取得しているか ②売却に向けた「販売サポート」が手厚いか ③家財や荷物の一時預かりサービスを提供しているか ④バーチャルステージングを実施してくれるか ⑤ホームステージングを実施してくれるか ⑥買取保証があるか |
事業者の選定が終わったら、不動産事業者に相談しながら、ポータルサイト等への掲載を進めていきましょう。
1-4.【STEP4】内覧準備を行う
不動産会社が決まったら、ポータルサイトへの掲載をスタートする前に、「内覧準備」を行っていきましょう。
内覧準備とは、内覧希望者が物件によい印象をもてるよう、家のなかを清潔に保ったり、お出迎えするための態勢を整えることです。
「物件に対するイメージ」や「購買意欲」を少しでも向上させるために、以下の6点に、取り組んでみてください。
戸建売却の内覧中に取り組むべきこと |
・日中の内覧対応を行う ・定期的な「整理整頓・清掃」で部屋をキレイに保つ ・水回りの清掃を念入りに行う ・玄関まわりのモノは片づける ・忘れがちな「ニオイ対策」も行う ・内覧対応中は、小さな子どもやペットは一時的に預ける |
内覧中には、重要なポイントが一つあります。
それは、笑顔でにこやかに接するということです。
どんなによい条件の物件でも、イマイチな対応の売主からは買いたくないと思うのが一般的な感覚です。
物件の売買も、「人と人とのコミュニケーション」であることを忘れないようにしましょう。
また、内覧希望者から寄せられる質問には、例え都合の悪い質問であったとしても、正確な内容を返すようにしてください。
その場での「対応」「ふるまい」「所作」一つで、ポジティブな印象もネガティブな印象も与えられます。
「この売主はいい人だな」「この売主なら信頼できる」と思ってもらえるような対応を心がるようにしてください。それが、売却確率のアップにつながります。
1-5. 【STEP5】決済日の前日までの準備を行う
内覧後、無事に買主がみつかったら、決済日の前日までに2つの準備を行いましょう。
決済日の前日までの準備2つ |
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「抵当権抹消」に関する書類を手配する
「抵当権」とは、銀行などの融資機関が、住宅ローンの融資を行う際に、不動産(土地・建物)を担保にする権利のことです。
売却によって、家主が変わるため、現在の家主に付随していた抵当権を抹消する必要があるのです。
この書類の準備は、金融機関によって3週間以上かかる場合もあります。
そのため、買主がみつかったタイミングで、早めに手配するようにしましょう。
必要に応じて、不動産事業者や司法書士などに相談しながら進めてみてください。
「所有権移転登記」に関する書類の準備を行う
もう一つ行っておきたいのが、「所有権移転登記」の書類の準備です。
所有権移転登記とは、物件の所有権を買主に渡すための手続きです。
手続きは、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士報酬の目安は6~10万円程度です。
自分で行う場合には、実費5000円以内程度が発生します。
以下が、所有権移転登記で必要な書類です。
「所有権移転登記」で用意すべき書類 |
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売主 |
買主 |
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司法書士への委任状 |
〇 |
〇 |
運転免許証などの身分証明書 |
〇 |
〇 |
実印・印鑑証明書 |
〇 |
〇 |
従前の登記済証 |
〇 |
|
固定資産評価証明書 |
〇 |
|
住民票のコピー |
〇 |
〇 |
売買契約書 |
〇 |
1-6. 【STEP6】決済と引き渡しを行う
決済日の当日は、売主・買主・不動産事業者・司法書士・住宅ローンの担当者などが集まり、手続きを行います。
当日の流れは以下の通りです。
決済日当日の流れ |
|
【STEP1】登記書類チェック |
司法書士が書類の有無を確認する |
【STEP2】住宅ローンの手続き |
住宅ローンの融資手続きを行う |
【STEP3】決済金の支払い手続き |
・買主が決済金を支払う手続きを行う ・売主が決済金を支払う手続きを行う |
【STEP4】抵当権の抹消手続き |
売主に付随していた抵当権を抹消し、買主に抵当権を設定する |
【STEP5】引き渡し |
物件のカギや重要事項説明書などを売主に引き渡す |
ここまでの手続きで「平均6ヵ月程度」かかります。
戸建売却は、粘り強く続けることが大事だと心得ておきましょう。
改めて、戸建売却の流れをまとめます。
戸建てを売却する流れ6STEP |
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この流れに沿って、戸建売却をすすめていきましょう。
2. 戸建ての売却後に「手元に残る金額」の算出方法
戸建の売却の流れについては、ご理解いただけたのではないかと思います。
その一方で気になるのが「売却後、一体どのくらいの利益が得られるのか?(=手元に残る売却益はどれくらいか?)」という点ではないでしょうか。
そこで、手元に残る金額の算出方法について解説します。
全部で4STEPあります。
戸建ての売却後に「手元に残る金額」の算出方法 |
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一つずつ、みていきましょう。
2-1.【STEP1】物件の相場を調べる
まずは「1-1. 【STEP1】売却価格を調べる」でお伝えした方法で、物件の相場価格を調べましょう。
ここでは仮に、物件価格が、2000万円だと想定して進めていきます。
2-2.【STEP2】仲介手数料を算出する
続いて、戸建の売却が成功した際に、不動産事業者に支払う「仲介手数料」を算出しましょう。
以下の通り、不動産事業者への報酬は、国土交通省が定めた「上限利率」があります。
不動産事業者に支払う仲介手数料 |
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200万円未満の部分 |
売却額×5%+消費税 |
200万円~400万円未満の部分 |
売却額×4%+消費税 |
400万円以上の部分 |
売却額×3%+消費税 |
上記の仲介手数料よりも低い場合も当然ありますが、仮に、上限利率であったと想定して、2000万円の売却価格の物件の仲介手数料を算出すると「66万円」になります。
戸建ての売却価格が2000万円の場合の仲介手数料 |
・200万円未満の部分 ・200万円~400万円未満の部分 ・400万円以上の部分 【上記を合算する】 仲介手数料=72万6000円(税込) |
ちなみに、売却価格が400万円以上の場合は、以下の式に当てはめれば、スピーディに仲介手数料を算出できます。
仲介手数料の計算式(売却価格が400万円以上の場合) |
(売却価格×3%+6万円)+消費税=仲介手数料 |
「仲介手数料の一覧表(税込)」も、まとめておきます。
以下をご確認ください。
不動産の仲介手数料(税込み) |
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売却価格 |
仲介手数料 |
500万円 |
23万1,000円 |
1000万円 |
39万6,000円 |
1500万円 |
56万1,000円 |
2000万円 |
72万6,000円 |
2500万円 |
89万1,000円 |
3000万円 |
105万6,000円 |
4000万円 |
138万6,000円 |
5000万円 |
171万6,000円 |
いずれか、都合の良い方法で、仲介手数料を把握しましょう。
2-3.【STEP3】税金を算出する
続いて行いたいのが、物件の売却時に発生する「税金の算出」です。
物件の売却時には「登録免許税」「収入印紙税」の2つが発生します。
「登録免許税」は、建物や土地に付随する「抵当権」を抹消するために支払う税金です。
抵当権とは、銀行などの融資機関が、住宅ローンの融資をする際に、土地や建物を担保にする権利のことです。
一方「収入印紙税」とは、不動産売却に際して生じる行政手続きに対する手数料のようなものです。
以下の表を参照のうえ、税金額を算出してください。
戸建の売却時に発生する税金額 |
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登録免許税 |
1物件につき1000円 |
収入印紙税 |
50万円~100万円以下:1,000円 |
物件の売却価格が2000万円の場合、売却時に発生する税金額は「2万1000円」です。
戸建ての売却価格が2000万円の場合の税金 |
●登録免許税 ●収入印紙税 【上記を合算する】 |
2-4.【STEP4】売却によって所得が生じる場合は「譲渡所得税」を算出する
物件が売却後に経費を引いた額がプラスになる場合(=譲渡所得が発生する場合)、「譲渡所得税」が発生します。
以下は、課税対象となる「譲渡所得」の計算式です。
譲渡所得額の計算式 |
【譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除=譲渡所得】 ・譲渡価額: ・取得費: ・特別控除: ・譲渡費用: |
例えば、1000万円でマイホームを購入したが、2000万円で売却でき、仲介手数料等の諸経費で100万円ほど発生した場合の譲渡所得は0万円です。
譲渡所得 |
●1000万円で物件を購入/2000万円で売却/仲介手数料等の諸経費で100万円発生した場合 【譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除=譲渡所得】 2000万円-1000万円-100万円-3000万円=0万円 |
上記に従った場合、譲渡所得は発生しないことになります。
低価格のマイホームは、3000万円の特別控除により、譲渡所得が発生しないことがほとんどです。
従って、これまでのSTEPに従って算出される「手取り額」は「1897万9000円」になります。
2000万円の物件を売却した場合の手取り額(売却益) |
・売却価格 ・仲介手数料 ・その他諸経費 ・税金 ・譲渡所得 2000万円(売却価格)-100万円(仲介手数料+諸経費)-2万1000円(税金)=1897万9000円 手取り額:1897万9000円 |
一方、別パターンとして、譲渡所得が発生する場合も計算してみましょう。
マイホームを以下の条件で売却した場合で想定したいと思います。
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この場合、計算式に従って算出される「譲渡所得」は900万円になります。
譲渡所得 |
●1000万円で物件を購入/5000万円で売却/仲介手数料等の諸経費で100万円発生した場合 【譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除=譲渡所得】 5000万円-1000万円-100万円-3000万円=900万円 |
上記の譲渡所得に対する「譲渡所得税」は、以下の利率に応じて算出します。
譲渡所得税 |
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不動産の所有期間 |
税率 |
5年未満 |
39.63% |
5年以上 |
20.315% |
例えば、売却予定の物件を7年間保有していた場合、「長期譲渡所得」に該当します。
その場合の税率は「20.315%」となり、「182万8350円」を納税することになります。
譲渡所得税 |
●900万円の譲渡所得に対する譲渡所得税 900万円(譲渡所得)×20.315%=182万8350円 |
「譲渡所得」を知りたい場合には、上記のステップで算出してください。
「譲渡所得」について知りたい方は、以下の記事も、併せてご参照ください。
➡土地売却の所得税はいくら?穴埋め式でどこよりも簡単な計算方法を解説
3. 戸建てを売却する際に押さえたいポイント2つ
続きまして、戸建を売却する際に押さえておきたいポイントを解説します。
戸建を売却するために押さえておきたいポイント |
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一つずつ、みていきましょう。
3-1. 「机上査定」と「訪問査定」の2段階で査定額を出す
「1-1.【STEP1】売却価格を調べる」でお伝えした通り、戸建の売却価格を調べる際には、以下2つの手法があります。
戸建ての「適正な売却価格」を調査する方法 |
①国土交通省による「土地総合情報システム」の活用 |
2つの手法のうち、より正確な相場価格がわかるのが②の「一括査定サイト」です。
一括査定サイトであれば、複数の不動産事業者が、物件の状況に基づいて査定するからです。
ただし、一括査定であれば、なんでもよいというわけではありません。
一括査定には、Webフォームから物件の情報(所在地・面積・間取り・築年数など)を送信することで概算の査定額を算出する「机上査定」と、不動産事業者が、実際に物件に足を運んで行う「訪問査定」の2つがあります。
このうち、より精度が高いのは「訪問査定」です。
実物の物件をチェックしたうえで査定額が算出されるため、より精度が高まるのです。
ただし、複数社にいきなり訪問査定を依頼するのは、効率的ではありません。
訪問査定は、30分~1時間程度の時間がかかるうえ、各社との電話やメールでのやり取りがあり、手間がかかるからです。
そこでおすすめなのが、複数社への「机上査定」を依頼して、各社の査定精度をある程度把握したうえで「この不動産事業者は親身に対応してくれそうだ」「査定の精度が高そうだ」と思える2~3社に、訪問査定を依頼する方法です。
この方法であれば、効率化を図れるうえ、精緻な査定額を算出できます。
まとめます。
査定額を調べる際には、以下のステップを踏みましょう。
①一括査定サイトを通じて、複数社の不動産事業者「机上査定」を依頼する |
3-2.補修を行う(リフォームは行わない)
戸建を売却する際には、できる限り売却益を残すために、リフォームは行わず、補修だけにとどめましょう。
リフォームは数百万円単位で費用が発生しますが、だからといって売却価格が上がったり、売却確率が上がったりするとは限らないからです。
どうしてもマイナスポイントになる欠陥(シロアリ被害、雨漏りなど)のみ補修を行うのが、売却益を最大化するうえで外せないポイントです。
補修する際には、以下のポイントを押さえてください。
補修のポイント |
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補修する箇所 |
補修方法 |
外装 |
・高圧洗浄機などを用いて、外壁の汚れ・ホコリをきれいにする |
室内 |
・雨漏りや、シロアリによる被害など、生活に支障を来す恐れのある箇所の補修を行う |
設備 |
・まもなく保証が切れる設備は、買主の手元に渡る前に新調する |
以上に挙げた2つが、戸建売却のポイントです。
2つのポイントを押さえて、戸建の売却を行えば、満足度の高い戸建売却ができるでしょう。
戸建を売却するために押さえておきたいポイント |
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4. 戸建は売れるのか?売れないのか?
「戸建売却のノウハウやポイントはわかった。しかし、うちの戸建は、果たして売れるのだろうか?」
あなたはもしかしたら、このようなモヤモヤを抱えているのではないでしょうか。
築年数が古い戸建だったり、経年劣化が進んでいたり、駅からのアクセスが悪かったりする場合、こういった不安が湧き上がりやすいものです。
身もふたもない話になってしまいますが、結論からいえば、「ケースバイケース」です。
どんなにいい物件でも、相場よりも高値をつければ売れる確率が下がりますし、どんなにボロボロの戸建だったとしても、相場からグンと値段を下げれば、あっとういう間に売れることがあります。
一言でいえば「コストパフォーマンスの高い売却価格(=物件の条件や状態に比べて、安いと感じる売却価格)」であれば、売れる確率が上がるし、そうでなければ、なかなか売れなくなるというわけです。
そういう意味では、物件の相場を把握する「査定」は、非常に重要なものといえるでしょう。
ただし、不動産が売れるかどうかは「物件の売却価格」だけではありません。
物件の需要、物件の魅力のアピールの仕方、販売活動、内覧対策なども大きく絡んできます。
戸建が売れないときの要因5つ |
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当社が執筆した記事「戸建を売却したいのに売れない!その5つの理由と効果的な対策を解説」では、物件が売れないときに考えられる「売れない理由」を把握できる「フローチャート」と、売れない理由別の「対策」がまとめられています。
「物件を売るために押さえるべきポイントを知っておきたい」
「売れない理由を探りたい」
という方は、併せてご確認ください。
➡戸建を売却したいのに売れない!その5つの理由と効果的な対策を解説
5. まとめ
いかがでしたか。戸建の売却について、理解が深まったのではないでしょうか。
ここで、本記事の内容をまとめます。
- 戸建てを売却する流れ6STEP
・【STEP1】売却価格を調べる
・【STEP2】書類の準備を行う
・【STEP3】不動産事業者を選ぶ
・【STEP4】内覧準備を行う
・【STEP5】決済日の前日までの準備を行う
・【STEP6】決済と引き渡しを行う
- 戸建ての売却後に「手元に残る金額」の算出方法
・【STEP1】物件の相場を調べる
・【STEP2】仲介手数料を算出する
・【STEP3】税金を算出する
・【STEP4】売却によって所得が生じる場合は「譲渡所得税」を算出する
- 戸建てを売却する際に押さえたいポイント2つ
・「机上査定」と「訪問査定」の2段階で査定額を出す
・補修を行う(リフォームは行わない)
- 戸建は売れるのか?売れないのか?
・ケースバイケースだが、「コストパフォーマンスの高い販売価格(=物件の条件や状態に比べて、安いと感じる売却価格)」であれば、売れる確率が上がるし、そうでなければ、なかなか売れなくなる
・戸建が売れないときの要因5つ
-価格が相場よりも高い
-物件の需要がない
-魅力のアピールが不十分
-販売活動が不適切
-内覧対策が不十分
本記事が、戸建の売却について知りたい方のお力になれましたら幸いです。