不動産購入コラム
ウッドショックで住宅価格が高騰。今マイホームを考える際のポイントを解説
「ウッドショックで家の値段が高くなったと聞いたけど、マイホーム購入はやめたほうがいい?」。
ネットや報道でウッドショックについて知り、マイホーム購入時期を考え直している人もいるでしょう。
しかし、価格面だけを見て住宅の購入タイミングを判断するのは危険です。
今回はウッドショックが与える影響と注視すべきポイントを解説しながら、住宅購入の適切なタイミングをご案内します。購入タイミングで悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
ウッドショックで新築住宅価格に影響が出ている
「ウッドショック」とは世界的な木材の供給不足により、木材全体の価格が高騰してしまうことです。
2008年のリーマンショック時にも発生したウッドショック。
今回の発生には、新型コロナウイルスによるリモートワークの普及が影響しています。自宅で過ごす人が増え、アメリカでは2020年5月のロックダウン解除後に新しく住宅を建てる市民が激増しました。ちょうど山火事や虫害で原料が不足し、コロナで製材所が休業している時期に需要が増えたこともあって、世界的な木材不足につながったのです。
日本の住宅建築の7割弱は輸入木材。
輸入木材を多用する戸建て住宅の価格にも影響が出ていて、すでに注文住宅や新築建売住宅では値上げが始まっています。
特に注視したいのは建築期間が長引きやすい注文住宅への影響です。詳しく見ていきましょう。
特に注視したい注文住宅への影響
ウッドショックの影響をもろに受けているのが注文住宅です。
注文住宅の契約書を見ると、ウッドショック等による請負価格増額の可能性が特約として記載されているケースがあります。場合によっては請負価格が当初より増え、希望していたオプション工事をやめるしかない、なんて事態にもなりかねません。
また、木材の供給状況によっては工事期間が長引くことも考えられます。あまりに長引けばつなぎ融資に影響が出るおそれもあるでしょう。
今から注文住宅を建てる人は、請負価格の変動や工事期間の延長はありえるのかを工務店に確認してみてください。こうした疑問に真摯にわかりやすく回答してもらえるかどうかも、工務店選びのポイントになるでしょう。
ウッドショックはいつまで続く?今するべきは購入保留より予算の見直し
ウッドショックによる住宅価格高騰はいつまで続くのでしょうか。
経済産業省の経済解析室がウッドショックについて解説をしていました。
以下引用します。
“2021年9月分のデータまでで確認できる範囲では、全体として、足下の丸太を除き、輸入価格も国内価格も引き続き上昇基調を継続していると思われます。したがって、日本国内では、当面は、いわゆるウッドショックといわれる状況が継続する蓋然性が高く、今後の動向を引き続き注視していく必要があると考えています。“
引用元:「いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?」(経済産業省)
2021年9月時点ではまだまだ上昇傾向にあると言われていますが、いつまで続くのかは明言されていません。アメリカでの住宅購入需要がいつまで続くかは誰にもわからないため、このように見るしかないのが現状です。過去2008年のリーマンショック時のウッドショックは数年で落ち着きました。今回のウッドショックも2021年~2022年で落ち着くと見る向きもありますが、未来は誰にもわかりません。
では、先が見えない中で住宅購入をどうすればいいのでしょうか。
今住宅購入を考える人にとってベストな方法は、購入の保留ではなく予算の見直しです。詳しく説明しましょう。
予算を見直して住宅購入の最適なタイミングを考えよう
ウッドショックでマイホーム購入を保留にしている人は、もう一度予算を見直して家族にとって最適な購入タイミングを考えてみましょう。
最適な購入タイミングとは、以下のすべてがそろったときです。
・家族のライフプランに合致している
・住宅ローンを組める
・希望するエリア・希望する物件が見つかる
・予算内である
特に重要なのが家族のライフプラン。
たとえば「子どもの小学校入学にあわせて希望する小学校の区へ引っ越したい」とういう人、多いのではないでしょうか?子どもの入学時期は変えられないため、希望の小学校区へ引っ越すタイミングは簡単にずらせませんよね。
住宅ローンを組める年齢にも注意が必要です。若く健康な時期なら長期の借り入れをしやすく、審査も有利に進むと言われています。購入を保留にしている間に万一健康状態が悪化してしまったら、住宅ローンに付帯する団体信用生命保険(通称「団信」)の審査で引っかかるかもしれません。
団信とは、住宅ローン残額と連動した生命保険です。契約者に万一のことがあったときの返済を保障するため、多くの金融機関では団信の加入を必須としています。つまり団信に加入できなければ、希望する住宅ローンを借りられないかもしれないのです。住宅ローンを組めないとなると、予算どころではないですよね。
このように、住宅購入のタイミングは予算だけで決めるものではありません。購入を後ろ倒しにしても、住宅ローンが組めず家族のライフプランに合わないのであれば意味がないのです。
すでに予算以外の条件がそろっているのであれば、予算さえ見直せば住宅購入に最適なタイミングになるのではないでしょうか。
家族のライフプランや希望にあう立地・タイミングで予算に合う住宅を買い、ウッドショックが落ち着いてからリフォームして自分好みの家にする方法もあります。完成済みの建売住宅や中古住宅なら予算内の物件が見つかる可能性もあるため、一度考えてみるといいでしょう。
価格が決まっている新築建売住宅や中古住宅のメリット
ウッドショックで住宅購入の予算を見直している人には、完成済みの新築建売住宅や中古住宅がおすすめです。
どちらもあらかじめ販売価格が決まっているため、途中で価格が上がることはありません。現在の予算内で返済計画を立てられるのがメリットです。
すでに物件が建っているため現物を見て購入できるのもポイントです。理想と現実にずれがない状態で購入できるので、買ってからの後悔も少ないのではないでしょうか。
今は予算を抑えて購入し、子どもの成長にあわせてリフォームしていくという方法もあります。戸建てなら住み始めてからの状況や家族の細かい希望にあわせて家を作っていけます。少しずつ理想の家を作っていけるのは、マイホームの醍醐味と言えるでしょう。
特に最近の新築建売住宅はおしゃれで、注文住宅にひけをとらない仕上がりの物件が多いです。利便性のよい場所にある物件が多いため、立地にこだわる人にも適しているでしょう。
もともと、建売住宅は資材の大量仕入れによって注文住宅より価格を抑えて販売しているという特徴があります。
関連記事「後悔しない建売住宅の購入方法。注文住宅との違い、メリット・デメリットを解説」
ウッドショックの影響はあるものの、すでに完成している住宅なら急に価格が上昇することはありません。ウッドショック時期でも予算を抑えて検討しやすいのではないでしょうか。
まとめ
ウッドショックによる価格高騰の影響はいつまで続くかわかりません。
ただマイホーム購入のタイミングは、家族のライフプランや住宅ローンを組める年齢・健康状態、希望する立地が見つかるかといった要素も加味して考える必要があります。
住宅ローンを組むなら、若くて健康な間に組むほうが有利です。
もし予算以外の条件がそろっているのであれば、先が見えないまま保留するよりも予算を見直して購入することをおすすめします。特に新築建売住宅や中古住宅は完成済みであり、価格がはっきりしているため検討しやすいでしょう。
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