「土地売却の手続きって何をすればいいのかわからない…」と悩んでいませんか?
土地売却の手続きは以下の10ステップで完了します。
▼土地売却の手続き10ステップ
|
しかし実際に土地売却の手続きをスムーズに進めていくためには、手続きの流れを知るだけではなく、準備すべきものや注意点なども知っておく必要があります。
そこで本記事では、以下の内容をご紹介します。
- 土地売却の手続き手順
- 土地売却手続きに必要な費用
- 土地売却手続きに必要な書類
- 土地売却手続きに関する注意点
記事を読むことで土地売却手続きがわかるだけでなく、準備すべきものや注意点を理解した上で、土地売却に向けてファーストステップを踏み出すことができます。
ぜひ最後までお読みください。
1.土地売却の手続き10ステップ
土地売却において、その一連の手続きは10ステップあります。
それぞれのステップについて、具体的にはどのようなことをするのか詳しく解説していきます。
それでは1ステップずつ見ていきましょう。
1-1.ステップ① 土地の相場を調べる
ステップ①は、売却したい土地の相場を調べることです。
1-1-1.土地の相場を調べる理由
不動産会社から査定をしてもらう前に適正な相場を把握しておくことで、査定結果を見て相場通りなのか、相場より高いのか低いのかを判断できます。
相場より低い不動産会社を避け、少しでも高く売却できる不動産会社を選択するために、土地の相場を知っておきましょう。
1-1-2.相場の調べ方
土地の相場の調べ方は、3つあります。
1.国土交通省の「土地総合情報システム」を利用 |
実際に成約した過去の取引事例を検索できる。 |
2.「標準地・基準値検索システム」を利用 |
地価公示価格を検索して相場がわかる。 |
3.「全国地価マップ」を利用 |
路線価を検索して相場がわかる。 |
より詳細に調べ方を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
➡土地売却の相場の調べ方!いくらで売れるか自分で調べる方法と注意点
1-2.ステップ② 不動産会社に査定依頼をする
ステップ②は、不動産会社に査定依頼をすることです。
1-2-1.査定は2種類ある
査定は下記2種類あります。
査定の種類 |
内容 |
簡易査定(机上査定) |
現地訪問しないで簡易的に査定を行う方法 |
訪問査定(詳細査定) |
現地訪問をして調査をした上で査定を行う方法 |
複数社(できれば4〜5社ほど)不動産会社に簡易査定を依頼し、その結果を比較検討して1〜2社に絞り、訪問査定を依頼すると良いでしょう。
1-2-2.複数の不動産会社に査定依頼しよう
不動産会社は複数社に査定依頼をするようにしましょう。
その理由は、不動産会社ごとに査定結果が異なるからです。
できるだけ良い条件での売却をするためには、複数の査定結果を比較検討して、訪問査定を依頼する会社を決定する必要があるのです。
そこでまずは、インターネットから無料で複数社に簡易査定依頼を申し込める、「一括査定サービス」を利用しましょう。
1社1社に査定依頼をしなくて済むのでスピーディに複数社から簡易査定結果をもらうことが可能です。
当社でも「複数いっかつ査定」という一括査定サービスがありますので、ぜひご利用ください。
1-3.ステップ③ 媒介契約を締結する
ステップ③は不動産会社と媒介契約を締結することです。
媒介契約とは、土地売却の仲介を不動産会社に依頼する際に締結する契約です。
媒介契約には種類が3つあります。
媒介契約 |
内容 |
一般媒介契約 |
・複数の不動産会社に仲介を依頼できる。 |
専任媒介契約 |
・仲介を依頼できる不動産会社は1社のみ |
専属専任媒介契約 |
・仲介を依頼できる不動産会社は1社のみ |
どの媒介契約が良いのかは、ご自身の状況によって異なります。
媒介契約の選び方については、下記記事をご覧ください。
➡媒介契約とは?3種類の媒介契約の違いと選び方をわかりやすく解説
1-4.ステップ④ 土地の測量をして境界線を確定させる
境界線が確定していない場合は、土地の測量をして境界線を確定させましょう。
境界線を確定させなくてはならないのは、土地売却において所有地の境界線を示す境界標と測量図を購入者に確認してもらうこと必須であるためです。
購入者は土地に問題がないことを確認してから購入したいため、土地の測量は欠かせません。
土地の測量は、土地家屋調査士に依頼して測量をしてもらいましょう。
測量完了後、隣接地の所有者に立ち会ってもらい、境界を確定し、その確定した境界線をもとにして確定測定図を作成し、境界標を設置します。
境界標と測量図がある場合はこのステップは不要ですが、古い土地の場合、境界標がなく、正確な測量図がないといった場合は多くあるので、確認してみましょう。
1-5.ステップ⑤ 売り方の戦略を立てる
ステップ⑤では、不動産会社の担当者と打ち合わせをして土地をどうやって売っていくのか、売り方の戦略を立てましょう。
具体的には、不動産会社の営業担当者が打ち合わせの時に、売主の売却希望条件を詳細にヒアリングし、その希望を叶えるために最適な戦略を提案してもらえます。
売り方の戦略を立てるのは不動産のプロなので、売主は戦略を建ててもらうために自身の要望をしっかり伝えることが重要です。
以下の情報は営業担当者にしっかり伝えるようにしましょう。
戦略を立ててもらうために伝えるべき情報 |
|
1-6.ステップ⑥ 不動産会社が販促活動を行う
ステップ⑥では、不動産会社が販促活動を行います。
不動産会社が行う販促活動とは、不動産会社が土地の売り出しについて広告を出したり、土地購入検討をしている人に対して物件を紹介したりすることです。
売主は定期的にもらえる販促活動報告を確認して、状況を見守ります。
販促活動報告は、専任媒介契約であれば2週間に1回以上、専属専任媒介契約なら1週間に1回以上売主に対して行われます。
一方で、不動産会社が販促活動中に売主がやるべきことがあります。
それは、不動産会社から定期的に提出される販促活動報告についてしっかり確認し、問題があれば指摘するということです。
営業担当者の身を引き締める意味でも、そしてより早く買主を見つけるという意味でも、販促活動の問題点を指摘するというのは重要なことなのです。
報告内容は、実際に行った販促活動や問い合わせ件数、内覧件数、お客様の感想、所感などが記載されているので、その中で問い合わせ件数や内覧件数が少ない場合には、その理由や今後の対策について営業担当者に確認をするようにしましょう。
1-7.ステップ⑦ 土地購入希望者と条件交渉をする
ステップ⑦では、土地購入希望者と条件交渉をします。
この条件交渉は、媒介契約を締結した不動産会社が購入希望者との間に入って行います。
条件交渉がまとまれば、売買契約書の草案を不動産会社が作成します。
そして売主と購入希望者それぞれが、その売買契約書の草案を確認し、詳細の条件を詰めて完成させます。
土地購入希望者から多い要望は、以下のような内容です。
- 値下げ交渉
- 確定測量図を確認したい
- 古家の解体費用は売主負担にしてほしい
- 引き渡し日程を早めてほしい、延期してほしい
不動産会社はこれらの要望に対して、売主の意見を聞きながら、交渉をまとめていきます。
1-8.ステップ⑧ 売買契約を締結する
ステップ⑧では、売買契約を締結します。
売買契約は、不動産会社のオフィスに売主と買主が集まり、売買契約を締結します。
売主、買主が顔を合わせて最終的な合意を取れるのは安心感があるため、このスタイルでの売買契約の締結が基本的には多い傾向にあります。
具体的には、以下の流れで売買契約を締結していきます。
売買契約の流れ |
1.顔合わせ(あいさつ) |
2.重要事項説明 |
3.売買契約書の読み合わせ |
4.売買契約書へ署名・捺印 |
5.手付金の受領(買主→売主) |
6.仲介手数料の半金を支払う(売主・買主→不動産会社) |
もし不動産会社のオフィスに集まることが難しい場合、「持ち回り契約」という方法で売買契約を締結することもできます。
持ち回り契約とは、不動産会社が売主と買主それぞれの自宅へ契約書を持っていき、それぞれ署名・押印をして売買契約を締結させる方法のことです。
不動産会社のオフィスからは遠方に住んでいて対面形式の売買契約が難しい場合は、持ち回り契約を選択すると良いでしょう。
1-9.ステップ⑨ 決済・引き渡しを行う
ステップ⑨では、決済と引き渡しを行います。
この場合の決済とは、買主が売主に対して土地の成約金額を支払い、売買取引を完了することです。
そしてそれと同時に、売主から買主へと土地の所有権の移転登記申請を行い、土地を完全に引き渡します。
決済・引き渡し当日には、土地の所有移転登記手続きを行う司法書士、買主がローンを組む金融機関の担当者立ち合いのもと、以下の流れで決済・引き渡しが行われます。
決済・引き渡しの流れ |
1.司法書士が物件の所有権移転登記をするための書類をチェックする |
2.金融機関のローンが実行され買主の口座に入金される(ローンを組む場合) |
3.売買代金の残額が買主から売主へ支払われる |
4.仲介手数料や登記費用を支払う(売主・買主→不動産会社、売主→司法書士) |
5.司法書士が登記所へ行き所有権移転登記の手続きを行う |
6.後日買主へ登記済権利証(登記識別情報通知)が郵送される |
売主は当日、仲介手数料の残額の支払いと土地所有移転登記費用の支払いが必要になります。
前もって準備しておくようにしましょう。
1-10.ステップ⑩ 確定申告を行う
最後のステップでは、確定申告を行います。
土地を売却して利益が出た場合には税金がかかるため、正しく納税するためにも、確定申告が必要になります。
その課税対象となる利益というのは、「譲渡所得」のことです。
譲渡所得は、土地の売却金額から取得費(土地を購入するためにかかったお金)と譲渡費用(土地を売るためにかかったお金)を引いて算出します。
譲渡所得=土地の売却金額ー(取得費+譲渡費用) |
上記の計算式で譲渡所得を算出後、金額がプラスになった場合は確定申告が必要になります。
確定申告を忘れてしまうと脱税行為とみなされてしまうため、必ず申告するようにしましょう。
土地売却の際にかかる税金について詳細を知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
➡土地売却の税金の計算方法をどこよりも分かりやすく解説!初めてでも簡単にできる
2.土地売却手続きに必要な費用
土地売却手続きに必要な費用は以下の通りです。
費用 |
内容 |
仲介手数料 |
不動産会社に支払う仲介の成功報酬 |
ローンの抵当権抹消費 |
司法書士に土地の抵当権を抹消してもらうための費用 |
土地の測量費用 |
土地を測量してもらう費用 |
印紙税 |
売買契約書に貼り付けする印紙代 |
譲渡所得税 |
相続不動産売却で得た利益に対してかかる税金 |
住民税 |
相続不動産売却で得た利益に対してかかる税金 |
復興特別所得税 |
令和19年まで所得税に上乗せされる税金 |
それでは詳しくみていきましょう。
2-1.仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社と土地売買の仲介を依頼する「媒介契約」を締結し、無事に仲介が成約した場合に、その成功報酬として不動産会社に支払う手数料のことです。
仲介手数料は法律上、上限額が決められています。
成約金額 |
限度額の計算式 |
200万円以下 |
成約金の5% |
200万円超400万円以下 |
成約金の4%+2万円 |
400万円超 |
成約金の3%+6万円 |
例えば土地の成約金額が2,000万円の場合、仲介手数料の上限額は以下のように計算できます。
2,000万円×3%+6万円=66万円
仲介手数料の上限額は決まってはいるものの、上限を上回らなければ不動産会社と依頼者が合意した金額で決定することができます。
実際には上限額よりも安く仲介手数料を支払う場合もあり得るのです。
仲介手数料についてさらに詳細を知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。
➡土地売却の仲介手数料はいくら?法的な相場から値引きの可否まで解説
2-2.ローンの抵当権抹消費用
ローンの抵当権抹消費とは、売りたい土地に住宅ローンが残っていて、借入している金融機関が土地に抵当権を設定している場合、その抵当権を抹消するための費用のことです。
抵当権が抹消されていないと土地の売却を行うことはできません。
ローンの抵当権抹消は自分で行うのではなく、司法書士へ依頼して抹消登記をしてもらうのが一般的です。
その場合、以下の費用がかかります。
内容 |
費用 |
抹消登記の登録免許税 |
土地1件につき1,000円 |
司法書士への報酬 |
2〜3万円 |
2-3.土地の測量費用
土地売却の10ステップでご紹介した土地の測量にはもちろん費用がかかります。
境界標と測量図がある場合はこのステップは不要ですが、古い土地の場合、境界標がなく、正確な測量図がないといった場合は多くあります。
土地家屋調査士に土地の測量をしてもらい、調査・測量・書類作成に対しての報酬を支払う必要があるのです。
相場は、1つの土地につき35万円〜45万円程度です。
2-4.印紙税
印紙税とは、経済取引などに伴い契約書などの文書を作成した際に、その文書に課される税金のことです。
土地の売却で言うと、売買契約書がその課税対象の文書になります。
収入印紙を購入し、売買契約書に貼り付けることで、印紙税を支払った証明ができます。
売却金額 |
印紙税 |
100万超え500万以下 |
2000円 |
500万円超え1,000万円以下 |
10,000円 |
1,000万円超え5,000万円以下 |
20,000円 |
5,000万円超え1億円以下 |
60,000円 |
例えば、土地を2,000万円で売却した場合、印紙税は20,000円となります。
2-5.譲渡所得税
譲渡所得税とは、譲渡所得にかかる税金のことです。
譲渡所得とは、土地などの不動産を売って得た利益のことを言います。
土地の売却価格から、土地を購入した時にかかった金額と、売るためにかかった費用などを引いたものが譲渡所得です。
譲渡所得=土地の売却金額ー(取得費+譲渡費用) 取得費とはその土地を購入した際にかかった金額 譲渡費用とは、不動産を売るためにかかった金額 |
譲渡所得税は土地の所有期間が5年以下の場合は税率30%、所有期間が5年を超える場合は15%と決められています。
種類 |
土地の所有期間 |
税率 |
短期譲渡所得 |
5年以下 |
30% |
長期譲渡所得 |
5年超え |
15% |
※所有期間は売却した年の1月1日時点での所有期間
譲渡所得税は譲渡所得を計算した上で、土地の所有期間に応じて税率をかけて算出します。
例えば、譲渡所得が1,000万円だった場合、譲渡所得税は以下の通り計算できます。
◆土地の所有期間が5年以下だった場合 ◆土地の所有期間が5年超だった場合 |
譲渡所得税の計算について詳しく知りたい方は、「土地売却の税金の計算方法をどこよりも分かりやすく解説!初めてでも簡単にできる」もご覧ください。
2-6.住民税
先述の譲渡所得に対しては、住民税も発生します。
税率は譲渡所得の5%もしくは9%で、これも土地の所有期間に応じて税率が変わります。
種類 |
土地の所有期間 |
税率 |
短期譲渡所得 |
5年以下 |
9% |
長期譲渡所得 |
5年超え |
5% |
※所有期間は売却した年の1月1日時点での所有期間
2-7.復興特別所得税
復興特別所得税とは、2011年3月11日の東日本大震災による被災地復興のため、財源確保をするために特別措置として設けられた税金のことです。
譲渡所得税の税率に2.1%が加算され、譲渡所得の0.63%もしくは0.315%の支払いが必要です。
種類 |
土地の所有期間 |
税率 |
短期譲渡所得 |
5年以下 |
譲渡所得税の税率30%×2.1%=0.63% |
長期譲渡所得 |
5年超え |
譲渡所得税の税率15%×2.1%=0.315% |
※ただしここでの所有期間は、売却した年の1月1日時点での所有期間。
2013年1月1日から2037年12月31日までの期間で譲渡所得税が発生する場合に、復興特別所得税も課税されます。
3.土地売却手続きに必要な書類
土地売却手続きに必要な書類は以下の通りです。
必要な書類 |
身分証明書・住民票・実印・印鑑証明書 |
登記済権利書もしくは登記識別情報 |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 |
土地の測量図境界確認書 |
それでは詳しくみていきましょう。
3-1.身分証明書・住民票・実印・印鑑証明書
売主本人の確認書類として、身分証明書・住民票・実印・印鑑証明書の4点が必要です。
また、土地の名義が、親子や兄弟間で共有となっている場合は、共有者全員の書類が必要になります。
住民票については、登記上の住所と現住所が異なる場合に用意しましょう。
印鑑証明書に関しては、売買契約書を交わす際に使用する印鑑が本物かどうかを証明するために必要になります。
印鑑証明書や住民票は発行から3ヶ月以内のものでないと有効にならないため、有効期限を考慮の上用意をしよう。
3-2.登記済権利書もしくは登記識別情報
登記済権利書とは、いわゆる「土地の権利書」のことで、法務局から登記名義人に交付される書類です。
登録名義人がその土地の所有者であることを証明できます。
土地を取得した際に法務局から交付された登記済権利書を買主に渡して、移転登記を行うことによって、所有権を買主に移行できるため、重要な書類なのです。
もし売却する土地を平成17年以降に取得している場合、「登記済権利書」ではなく「登記識別情報」が発行されている可能性があります。
その場合は、登記識別情報を準備するようにしましょう。
3-3.固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
本来は買い手が負担すべき期間分の固定資産税を売買金額で調整するために、固定資産税納税通知書が必要になります。
土地の所有者には固定資産税が課されますが、1月1日時点での所有者に対して課されるため、1月1日以降に土地を購入した買主は、翌年の1月1日まで固定資産税を支払わずに済んでしまいます。
しかしそれでは買主と売主の固定資産税の支払いが平等ではないため、固定資産税を売買代金で調整す流ことになります。
3-4.土地の測量図・境界確認書
土地の測量図と境界確認書も重要な書類の一つです。
買主とは土地の敷地面積の誤差でトラブルに発展するケースがありますが、そのようなトラブルを未然に防ぐために、土地測量図と境界確認書を提出します。
先述の通り、土地家屋調査士に測量を依頼し、測量後に隣接地の所有者立ち合いのもとで境界線を明確に決め、測量図と境界確認書を作成しておきましょう。
4.土地売却の手続きに関する3つの注意点
ここまで土地売却の手続きや必要な費用や書類をご紹介しましたが、土地売却手続きを失敗しないためにも3つの注意点についてもご紹介したいと思います。
- ローンの返済金が残らないようにする
- 相続した土地を売却する場合は相続登記を忘れずに行う
- 個人間での土地の売買はできるだけ避ける
それでは詳しくみていきましょう。
4-1.ローンの返済金が残らないようにする
1つ目は、ローンの返済金が残らないようにすることです。
先述の通り、金融機関から融資をしてもらって土地を購入している場合、その土地には抵当権が設定されています。
土地売却をするためにはその抵当権を解除する必要がありますが、ローンが残っていると抵当権は解除できないのです。
多くの場合、土地の売却金額を受け取ったタイミングで金融機関にローンを完済し、抵当権を解除し、買主への土地の所有権の移転手続きを進めていくことになります。
しかし土地の売却金額がローンの返済金額に満たない場合、抵当権が解除できず、土地の売却ができなくなってしまいます。
土地の売却金額は予めわかるので、ローンを完済するためにはあといくら足りないのか計算しておき、返済するためのお金を準備するようにしましょう。
4-2.相続した土地を売却する場合は相続登記を忘れずに行う
2つ目は、相続した土地を売却する場合は相続登記を忘れずに行うということです。
相続登記とは、土地などの不動産の名義変更を行うことです。
親が亡くなって土地を相続した場合、相続登記によって土地の所有権を自分名義に変える必要があります。
相続した土地を売却する際に相続登記を行っていない場合、売主がその土地の所有者であることを示せず、買主への所有権の移転もできないため、買主からすると魅力のない土地となってしまい、売れなくなってしまいます。
土地を相続する場合に相続登記をうっかり忘れてしまうというケースもよくあるため、忘れずに行うようにしましょう。
相続登記の手続きについては詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
➡相続した不動産を売却する際の正しい手順と注意点をわかりやすく解説
4-3.個人間での土地の売買はできるだけ避ける
3つ目は、個人間での土地の売買はできるだけ避けるようにすることです。
今回の記事では不動産会社へ仲介を依頼することを前提に、土地売却の手続きをお伝えしましたが、もちろん媒介契約の内容によっては個人間でも土地の売買が可能です。
しかし、個人間での土地の売買は法的なトラブルに巻き込まれる可能性があったり、契約書を自分で作成したりするなど、個人で対応するには難易度の高い対応が多く存在するため、あまりおすすめできません。
個人間で売買すれば確かに仲介手数料がかからないという利点はあるものの、不動産のプロに仲介を依頼してスムーズに土地の売買を進めていく方がトラブルもなく安心できます。
5.まとめ
今回は土地売却の手続きや必要な費用・書類、土地売却の手続きに関する注意点などをご紹介しました。
ここで改めて今回の内容をおさらいしましょう。
◆土地売却の手続き10ステップ
◆土地売却手続きに必要な費用
費用 |
内容 |
仲介手数料 |
不動産会社に支払う仲介の成功報酬 |
ローンの抵当権抹消費 |
司法書士に土地の抵当権を抹消してもらうための費用 |
土地の測量費用 |
土地を測量してもらう費用 |
印紙税 |
売買契約書に貼り付けする印紙代 |
譲渡所得税 |
相続不動産売却で得た利益に対してかかる税金 |
住民税 |
相続不動産売却で得た利益に対してかかる税金 |
復興特別所得税 |
令和19年まで所得税に上乗せされる税金 |
◆土地売却手続きに必要な書類
必要な書類 |
身分証明書・住民票・実印・印鑑証明書 |
登記済権利書もしくは登記識別情報 |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 |
土地の測量図境界確認書 |
◆土地売却の手続きに関する3つの注意点
- ローンの返済金が残らないようにする
- 相続した土地を売却する場合は相続登記を忘れずに行う
- 個人間での土地の売買はできるだけ避ける
土地売却の手続きがスムーズに行えるよう、本記事が参考になれば幸いです。