「空き家になった実家を売りたいけど、家財道具はいつ片付ければいいの?」
「実家の片付けって面倒だけど、家具付きのまま売れないの?」
実家を売却することになり、このようなことで悩んでいませんか?
両親が他界した悲しみが癒えないうちに家具や生活用品をすべて片付けるのは、体力的にも精神的にもしんどいですし、思い出の詰まった家財道具を捨てるのは心が痛みますよね。
しかし、高く実家を売却するためには家具も生活用品もすべて片付け、空っぽの状態にしておかなければなりません。
家具などを置いたまま売却できたとしても、入居までに不用品として処分されるため、査定の際に処分費用がマイナス評価され、高く売ることができないのです。
また、家全体が狭く見えるため、内見の際にあまり印象が良くなくなかなか売れません。
とはいえ、実家を片付ける際には3ヶ月以上かかる場合もあり、親族同士でトラブルも起きやすいのです。荷物の量や査定までに許されている期間によっては、業者に依頼したほうが良い場合もあります。
スムーズに片付けから売却、相続まで終わらせるためにも、事前にしっかりと調べて準備をしましょう。
そこでこの記事では
- 片付けが必要な理由と片付けにかかる期間
- 自分たちで片付けるか、業者に依頼するか、そのメリットとデメリット
- 自分たちスムーズに片付ける手順、トラブル対策
- 実家売却の片付けで抑えておくべきポイント
- 遺品整理業者の選び方
- 片付け完了から売却までの手順
を詳しく解説します。この記事を読めば、実家売却の片付けの手順やポイントが分かり、親族とトラブルになることもなく、気持ちよく売却ができますよ。
目次
1.高く実家を売却するには片付けが必須
できるだけ実家を高く売りたいなら、査定の前に片付けをしましょう。それには以下の2つの理由があります。
理由①内見のときに狭く見える
購入希望者はほとんどの場合、物件の内見をしますよね。その際に家財道具が置きっぱなしだと物件に魅力を感じてもらえません。
たとえば、あなたが中古住宅を探して内見に行ったと想像してみてください。
売主の先祖代々の遺影や、使い込まれたタンス、生活感あふれる日用品がそのままになっていたらどうでしょうか。せっかく意気揚々と内見に行ったのに、新生活がイメージしづらくなりますよね。
入居までに片付けます、と言われても家具が置いてあるところは見えないので、「何か瑕疵があったら…」と不安にもなるでしょう。
物件紹介サイトに写真を載っていても狭く圧迫感があるように見えてしまい、そもそも内見にさえ至らないかもしれません。
査定までにキレイに片付けておくことで、購入希望者にあなたの実家を魅力的に感じてもらえるのです。
理由②査定のときにマイナス評価になる
新生活が始まるときは好みのインテリアにしたい人が多いので、他人が使っていた家具を使いたい人はあまりいません。
家財道具を置いたままでも査定をしてくれる不動産会社はありますが、買い手が見つかっても入居までに不動産会社の手によって不用品として処分されます。ですので、査定の時点で家財道具が置きっぱなしの場合、不動産会社は査定の際に「不用品処分費用」をあらかじめ見積もり、その分をマイナス評価にするのです。
実際にいくらかかるのかは売主にはわからないので、実際にかかる費用より多く見積もられていても気づけません。
自分で業者を手配していたら20万円で済んでいたはずなのに、片付けずに売却したがために50万円もマイナス評価にされていた、ということも起こりえます。
そもそも自分で片付ければ、費用はほとんどかかりません。
少しでも高く売却するために、手間がかかっても査定前に片付けておきましょう。
2.実家売却の片付けで知っておくべき2つのこと
実家売却の片付けには
- とても時間がかかる
- 親族間のトラブルが起こりやすい
という2点の特徴があります。
2-1.実家売却の片付けは時間がかかる
実家はご両親やあなたたちが長年生活をしていた場所なので、家財道具や生活用品、思い出の品などでいっぱいですよね。そのため、実家売却の片付けは時間がかかります。
出典:東洋経済オンライン
東洋経済オンラインの調査によると、実家の片付けまでにかかった時間は半数の人が3ヶ月未満ですが、約半数の人が3ヶ月以上かかっていました。
- 実家に住んでいなかった親族が片付ける場合が多く、どこに何があるかわからない状態で始めた
- いろいろな思い出の品が出てきて感傷に浸ってしまう
などが主な理由のようです。
早く売却をするためにも、効率よく片付けを進めることが重要です。
2-2.実家の片付けではトラブルが起こる可能性があるので注意
実家売却の片付けはトラブルが起こりがちです。
誰も知らなかった親のへそくりがたくさん見つかった、きょうだいの中で一人だけに負担が集中した…など、予想外のことが起こります。
事前にしっかりとルールを決めたり、親族全員がいる場所でしっかりとコミュニケーションを取ったりするなどして、できる限りトラブルを回避しましょう。
3.実家売却で片付けをする2つの方法
いざ実家を片付けようと思った時にできる方法として、
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という2つの方法があります。
片付ける量や状況によっては、業者を活用するというのも一つの手になります。
実家の売却にあたりどのように片付けを進めていくべきか、それぞれの違いを見ていきましょう。
3-1.自分や親族で片付けを行う
自分たちで片付けることが可能であれば、自分や親族と分担にして行うことを基本的におすすめします。
思い出や両親の想いを大切にしながら一つ一つ片付けることができ、ご両親が亡くなった悲しみや、思い出の詰まった実家を売却することへの寂しさを受け入れることができます。
また、ご両親が大切にしていたものも自分たちの手でしっかりと分けられるので、形見分けがしやすいというメリットもあります。
自分や親族で片付けるメリット |
自分や親族で片付けるデメリット |
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3-2.業者に依頼する
「2-1.実家の片付けは3ヶ月以上かかる人が約半数」で説明したように実家の片付けには多くの時間と労力が発生します。この手間をとることが難しい場合は、自分たち以外で片付けをおこなうことも考えなくてはいけません。
早く売却したい場合や人手が少ない場合などは、業者に依頼すると効率的です。
実家の片付けを業者に依頼する場合、不用品回収業者や遺品整理業者に依頼をしましょう。
もし業者に依頼することを検討する場合は、不用品回収業者ではなく遺品整理業者に依頼するのがオススメ。
なぜなら、遺品整理業者は基本的に遺品整理士という資格を持っています。貴重品や形見など保存しておくべきものを仕分けてくれたり、価値が高いものを見分けられたりするのです。
両者の違いを具体的に解説するので、メリット・デメリットを踏まえて業者を選びましょう。
2-2-1.不用品回収業者の特徴
不用品回収業者は分別はしてくれますが、すべて「ゴミ」として扱います。
貴重品や形見を自分たちで分けたあと依頼する場合はそれでも構いませんが、全て任せてしまうと思い出の品まで廃棄されてしまうので注意してください。
不用品回収業者に依頼するメリット |
不用品回収業者に依頼するデメリット |
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不用品回収業者の費用は主に「人件費+車輌費+処分費」で算出されるところが多いです。
あくまでこれは一例で、実家の広さや荷物の量によっても異なります。
一般的な3DKや4LDKなどの広さであれば、少なくとも5万円前後の費用がかかることが多いです。自治体や業者によっても異なるので、必ず事前に見積りをとって確認をしましょう。
3-2-2.遺品整理業者の特徴
遺品整理業者は遺族に寄り添って遺品の整理をしてくれます。
不用品の回収はもちろん、まだ使うものと不用品を仕分けてくれたり、貴重品の捜索や買取品の査定までしてくれたりする業者もあります。
遺品整理業者に依頼するメリット |
遺品整理業者に依頼するデメリット |
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主に部屋の広さで料金が決まります。
出典:みんなの遺品整理
同じ広さでも料金に幅があるのは、業者によって異なるのはもちろんですが、処分品の量によっても異なるからです。
また、建物状況や周辺の環境によっても変わります。たとえばトラックの駐車場と家までが近いと安くなったり、マンションの上層階なのにエレベーターがない場合は高くなったりすることも。
事前に見積りを出してくれる場合がほとんどなので、必ず確認をしましょう。
4.実家の片付けを自分でする7つのステップ
自分で実家売却の片付けをすると決めた場合は、このような手順に沿って計画・実行するとスムーズに進めることができます。
4-1.貴重品を捜索する
まずは貴重品を見つけ出しましょう。相続に関わる書類もあるため、最初にすべてピックアップしてしまいます。
貴重品は以下のものが当てはまります。
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見つけた貴重品はひとまとめにして箱などに集めます。片付けが数ヶ月に渡ることもあるので、その場に置きっぱなしにせず、代表者が管理をしてください。
貴重品は空き巣対策で厳重に隠してあることが多く、一緒に住んでいなかった場合は見つけるのが大変困難です。まずは以下のような場所を探してみましょう。
①リビング ②書斎 本棚の隅に挟まっていたり、引き出しの奥にしまい込んであったりするので、隅々まで確認してください。本の間に挟んでいることもあるので注意が必要です。 ③寝室 ベッドの下や枕の下、クローゼットの中などを捜索しましょう。他の部屋と比べて家具が少ないことが多いので、比較的探しやすいかもしれません。 ④考えつかないような場所 など、思いもよらない場所に隠してあることも多々あります。 |
どうしても見つからない場合は、遺品整理業者や最近遺品整理をした知り合いなどに相談してみましょう。
4-2.どこから片付けるか順番を決める
実家がとても広い場合、どこから手を付けるかを決めましょう。
目についたところから手当り次第始めてしまうと、搬出の進路を塞いでしまったり、部屋が散らかるだけになってしまったりして時間がかかってしまいます。
以下の順番で片付けるのがオススメです。
STEP1. |
食品類 |
STEP.2 |
搬出ルートにあるもの |
STEP.3 |
布製品、調理器具、衣類 |
STEP.4 |
食器、書籍、調度品、雑貨 |
STEP.5 |
写真、思い出の品 |
STEP.6 |
家具類 |
4-3.スケジュールを決める
どこをいつまでに片付けるのか、粗大ごみ回収に何日に来てもらうのかなど、スケジュールを立てましょう。最初にスケジュールを固めてしまうことで、ダラダラと先延ばしにすることが防げます。
前述の順番を参考にし、全員でスケジュールを共有してください。
「4-2.どこから片付けるか順番を決める」でも話したように、写真や思い出の品の整理は時間をとられやすいです。あらかじめ多めに見積もるのがオススメです。
また、形見分けのためにいつ集まるかなども決めると、個々のスケジュールが合わせやすくなります。
ただし、このときにギチギチに決めてしまうと不測の事態に対応できません。予備日を設けるなどして、余裕を持ったスケジュールにしましょう。
4-4.分担を決める
親族が遠方に住んでいる場合や仕事をしている場合など、なかなか全員で集まって一斉に片付けることが難しいときは、それぞれの担当を決めましょう。
実は、これが一番トラブルの原因になりやすいのです。
どうしても近居の親族が手を動かして作業をしがちになり、目に見えて「やった感」を抱きます。
たとえ良い業者を探して手配する、買取業者に持ち込んで査定してもらう、などの手配関係の業務を担当していても、後々他の人から反感を買った例もあります。
あらかじめ全員が集まっている場で納得した上で担当を決め、メモを残しておきましょう。
例えば、このような担当業務があります。
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何日くらい協力できるのか、介護や仕事の都合はつくのか、など個々の事情も考慮して分担しましょう。
4-5.自治体のゴミ分別方法を調べる
ゴミの分別方法は自治体によって異なります。専用のゴミ袋が必要な場合もあるので注意してください。
あとからまとめて分別するのはとても大変です。役所にパンフレットが用意されていたり、ホームページに掲載されていたりするので、必ず事前に調べてからルールに沿って分別しましょう。
粗大ごみや家電の処分には費用がかかります。粗大ごみの回収費用は自治体にもよりますが、数百円〜数千円と幅があります。捨てるものが決まったら、自治体に問い合わせて費用を算出してください。
もし自治体のゴミ集積場に持っていくのが面倒だったり、収集日に来られなかったりする場合は、処分するものだけを不用品回収業者にまとめて回収してもらうのもオススメです。粗大ごみも回収してくれることが多いので、自治体に電話して回収券を買いに行くという手間も省くことができます。
家電は家電リサイクル法に則って処分をしましょう。購入した店舗がわかればその店舗に連絡して引き取ってもらいます。もしわからなければ自治体に連絡して回収方法の指示を仰いでください。郵便局で支払いをして、指定引取場所に持ち込むという方法もあります。
出典:経済産業省
家電リサイクル料金は一律ですが、収集運搬費用は業者によって異なります。事前に問い合わせをして、見積もりを出してもらってください。
4-6.スケジュールに沿って片付ける
ここまで準備が整えば、あとはスケジュールに沿って各々が片付けていきます。あらかじめ準備とルールを決めていることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズに進めていけます。
始めてみたら思ったより時間がかかりそうな場合や、急な事情で担当業務を変更したい場合などは、関係者全員に周知しましょう。
担当業務は誰かに変わってもらうことで解決できますが、スケジュールの変更はできるだけ早いほうが調整しやすいです。
また、いくらしっかりと準備をしていても、予想外の問題が発生することがあります。全員が揃っているときであればその場で相談できますが、それぞれの都合が良いときに各々で作業をしていた場合は注意が必要です。
たとえば、引き出しの奥から借金関連の書類が出てきたり、畳の裏から大量のへそくりが出てきたり、という事例もあります。相続に関わることは先延ばしにしてはいけません。
後々トラブルに繋がることがあるので、あなた一人で判断せず、必ず関係者全員に相談・報告をするようにしてください。
関係者が全員スマホユーザーであれば、LINEグループを作るのもオススメですよ。
4-7.清掃をする
できるだけ高く売却するためにも、すべて搬出できたら丁寧に掃除をしましょう。
片付け中に出てきたホコリや汚れだけでなく、窓や壁、柱などもピカピカにしてください。昔に建てられた住宅には立派な柱や梁があることもありますが、基本的には水拭きで構いません。
ハウスクリーニング業者などに依頼すれば艶出しクリーニングをしてくれます。高級感が出て、内見時の印象も良くなるので検討してみてください。
自分で白木ワックスを購入して塗るという方法もありますが、高いところの梁などは危ないので予算が許すなら業者に依頼するほうがよいでしょう。
汚れやすく掃除が大変な水回りも、ハウスクリーニング業者に依頼すると見違えるほどピカピカにしてくれます。
ハウスクリーニング大手のダスキンの価格は以下のようになっています。
参考:ダスキン
これは標準額で、エリアや広さによって変動はあります。水回りがキレイだと家全体がキレイに見え、査定額が上がる可能性があるので、ぜひ利用しましょう。
5.実家売却の片付けで押さえておくべき2つのポイント
実家売却の片付けで抑えておくべきポイントは2つ。
- 保存するか処分するかで迷ったら
- 写真の保存方法、形見分けの方法
この2つをあらかじめ抑えておくと、スムーズに片付けができます。
5-1.保存か処分かで迷った際の見分け方
片付けていると、「これは保存?処分?」と迷うものが出てきます。その場合は、
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の3つに当てはまれば保存しましょう。それ以外は処分しても大丈夫です。
・貴重品の見分け方
貴重品の整理には法的な手続きが必要です。また、先程もお話したように、相続に関わるものもあるので、片付けの途中で出てきた場合はすぐに関係者に連絡しましょう。
先述したように貴重品は以下のものが当てはまります。
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亡くなった際にまだ会社に勤務していた場合は、会社関係の書類は勤務先に相談してください。
また、自営業だった場合は後に経理・納税状況の確認があるかもしれません。関係がありそうな書類などはすべて保管しておきましょう。
・形見になるもの
形見とは、故人が愛用していたものや思い出の品のこと。故人との思い出を忘れないための大切なものです。資産価値があるものを形見分けしてしまうと相続税や贈与税が発生する可能性があるため、資産価値のないものを形見分けしてください。
形見分けは血縁に関係なく、故人と親しかった人に分けます。
形見になりそうなものを分けておき、後日親しかった人たちに集まってもらい、欲しい物を選んでもらう形が良いでしょう。
また、遺言書やエンディングノートで渡したい人を書き残している場合があります。その場合は故人の遺志を尊重し、その方に渡すようにしてください。
・再利用できるもの
家電や衣類、古紙などリサイクルできるものはリサイクル業者に引き取ってもらいましょう。
古紙は地区の回収日が決まっていることが多いので、回収日に指定場所に持っていきますが、地区のゴミ捨て場は町内会で維持しています。町内会の脱退手続きをしてしまった場合は、直接ゴミ回収センターへ持ち込んでください。
衣類は古着屋に査定してもらうのが手っ取り早いですが、着物は専門の鑑定士に見てもらうのがオススメ。着物は大変価値があるものがありますが、素人では判断がしづらいものです。せっかくご両親が大切にしていた着物ですので、きちんと査定をしてもらってください。
5-2.写真はデジタル保存して形見分けしよう
写真はご両親やあなた自身の思い出を振り返ることができ、心が温かくなるでしょう。
その分、他の親族にとっても手元においておきたく、どのように分けるかでトラブルになりがち。枚数を平等にしても、家族の集合写真などみんなが欲しいと思う写真の分け方で揉めることもありえます。
そのようなトラブルを防ぎ、さらに写真の劣化も防ぐことができるのが「デジタル保存」。
フォトスキャンなど写真をスキャンする無料アプリを使うのもいいですし、ネガや写真を直接取り込んでSDカードなどに保存できるスキャナーも売っています。ただ、これらのツールは1枚ずつ取り込む必要があるので、大量に写真がある場合は時間がかかり大変です。
写真館で写真データ化代行サービスをしているところがあるので、たくさん写真を残しておきたい場合は検討してみましょう。
申込みから納品まですべてネットでできるところもあります。分ける人数分のデータを作成することもできるので、手間をかけず平等に分けることができます。
6.実家売却の片付けでよくあるトラブルと対処法
実家売却で親族とトラブルが起こるのはよくあることです。
多かれ少なかれトラブルが起こるのは仕方のないことですが、適切な対処をすることで今後の親族間の関係性を良好に保つことができます。
トラブルの原因はほとんどが事前の準備や打ち合わせをしていなかったり、コミュニケーションが不足していたことによるものです。ここまで解説してきた準備をきちんとしておくと回避できる場合が多いので、入念なご準備を。
トラブル例①片付けの分担をめぐってきょうだいと揉めた
遠方に住んでいるためあまり片付けをしに行くことができず、近くに住んでいたきょうだいに任せっきりになってしまった。
実際には業者を手配したり、不動産会社に査定依頼をしたりと手続き関係の業務をしていたにもかかわらず、売却完了後に折半した売却益が振り込まれたと同時にきょうだいに絶縁を申し出られた。
対処法 事前に担当業務を明確にしていなかったり、メモに残していなかったりしたことが原因です。 たとえ手続き関係を担当していたとしても、体を使わないことはやったうちに入らないと思う親族もいるかもしれません。 実際に体を動かしての片付けができない場合は、理由を明確にし、関係者全員に納得してもらうことが大切です。 準備段階であらかじめスケジュールや分担を決め、全員が納得した上で片付けを始めましょう。 |
トラブル例②:見つけたへそくりをきょうだいに内緒で自分のものにした
「見つけたものは見つけた人のもの」というルールを決めていた。清掃するために畳をめくると大金のへそくりが出てきたので、ルール通りに自分のものにした。
あとからきょうだいにバレて非難されたが、ルール通りにしただけだと貫き通した。以後、きょうだいとは疎遠になっている。
対処法 貴重品を最初に捜索していたとしても、片付けを進めていくうちに思わぬところから金品が出てくることがあります。 いくら上記のようなルールを決めていても、現金となれば話は別だという親族もいるでしょう。また、金品は相続になるため必ず法的な手続きをしなければなりません。 金品が見つかった場合は関係者全員に周知し、その上でどうするかを決めてください。法的な手続きも忘れずに。 |
7.手間をかけたくないなら業者に依頼しよう
仕事が忙しかったり、遠方に住んでいたり、家族の介護があったり、なかなか自分たちの手で片付けるのが難しい場合は、業者に依頼することも検討しましょう。
7-1.遺品整理業者なら手間が最小限で思い出を残してくれる
2章でもお話したように不用品回収業者と遺品整理業者がありますが、思い出を大切にしたい場合は遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。
不用品回収業者は貴重品も思い出の品もすべてゴミとして扱います。トラブルを避けるためにも、遺品回収業者に依頼しましょう。
7-2.優良な遺品整理業者の見分け方
大切なものを扱うので、気持ちよく作業をしてくれる業者に依頼したいですよね。良い業者はどのように見分けたら良いのか、ポイントを3つ紹介します。
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・遺品整理を専門で展開している
最近では遺品整理業の需要が高まっていることもあり、専門ではない企業も事業展開してきています。
ですが、遺品整理は多種多様な要望が多く、相続や貴重品の整理など専門知識も必要です。専門業者でなければ遺族に寄り添った対応ができないことが多いので、依頼前にどのような企業が運営しているかを調べましょう。
「遺品整理士」という資格を持っているかどうかが専門で展開しているかどうかの目安です。
・料金体系が明確にしてある
遺品整理に限ったことではないですが、料金体系が明確でなければ安心して依頼することができません。
後から見積もりになかった費用を請求されるトラブルも考えられますので、必ず料金体系を明確にしている業者を選びましょう。
少なくとも参考価格が記載されているかどうかを確認してください。
・スタッフの顔が公開されている
現場で作業にあたるスタッフ全員の顔写真が公開されているかどうかを確認しましょう。
スタッフの顔を公開するということは、誠心誠意対応してくれるということなので、安心して任せることができます。
しかし、スタッフの防犯上の理由からなかなか顔の公開が難しいこともあります。せめて代表の顔が公開されているかを確認してください。代表あいさつからも遺品整理をどのように考えているかがわかるので、しっかりと読みましょう。
8.実家を高く売却するための査定の手順
相続した実家の売却手順は以下のようになります。
①相続登記(実家の名義変更)を行う
実家の売却をスムーズに進めるために、まず実家の登記簿謄本の名義を変更しましょう。
相続した不動産に名義を変更する義務はありませんが、相続登記をしていない状態だと所有者が誰かわからなくなってしまいます。
遺産分割協議まで完了していても、名義を変更していなければ公に自分のものだと認めてもらえないので、できるだけ早い段階で相続登記を行い、名義を変更しておきましょう。
②遺品整理をする
これまで解説してきたように、遺品の整理をしてください。少しでも高く売るためには家の中に何もない状態にしておくことが必須です。
相続関係者ときちんとルールを決めて、円満に遺品整理を行いましょう。
③一括査定の依頼をする
実家が空っぽになったら、査定・売却の準備に入りましょう。
いくらで売れるかを知るため、不動産会社に査定を依頼します。不動産会社によって査定額が異なるので、複数の不動産会社に一括査定をしてください。
1社だけでなく複数社の一括査定を利用する3つのメリット ①複数社から査定額が提示されるので、相場感を把握しやすい |
一括査定では物件を見ずに聞き取りだけで査定する「簡易査定」が行われます。その中で高く見積もってくれた2〜3社に、実際に物件を見て査定してもらう「訪問査定」を依頼しましょう。
事前の片付けをキレイに行っていれば、この段階で高く査定してもらえる可能性がグンと上がるのです。
ホームセレクトでは実家売却をお考えのあなたに、いい条件を提示する可能性が高い不動産会社を複数ご紹介する「複数いっかつ査定」を無料でご提供しています。
④相場調査をする
「不動産会社は査定のプロだから」とすべて任せてしまうのではなく、あなた自身でも売却相場を調べましょう。もしあなたが調べた価格と、査定された価格に差があった場合、その理由を尋ねることができるからです。
相場の調べ方には以下のような方法があります。
①近隣エリアの過去の取引価格を調べて目安にする |
過去の取引価格は国土交通省「不動産取引価格情報検索」を活用するとわかるので、活用してみてください。
⑤媒介契約をする
不動産会社の査定額に納得ができたら、1社に決めて媒介契約をします。
不動産会社選びに迷ったら、
- そのエリアでの販売実績が多いこと
- 地域に根ざした会社であり、信頼できること
- わからないことを相談しやすい雰囲気であること
などを基準に決めましょう。
⑥販売開始
不動産会社を決めたら、売り出し価格を決定して売り出します。
売り出し価格とは、最初にスタートする価格のこと。
買主との交渉で値下がりしたり、なかなか売れずに値下げしたりすることがあるため、必ずしも「売り出し価格=売却価格」になるとは限りません。
最終的に売り出し価格を決定するのは売主です。複数査定した結果の価格などを参考にして決めましょう。
安く設定すれば早く売れますが、それ以上高く売ることができないので損をする可能性もあります。高めに設定するとその価格で売れればラッキーですが、なかなか買い手が見つからないことがあります。
希望の売却価格や急ぎ具合などを考慮して、売り出し価格を決めましょう。
相続した不動産を売却する流れは「損しない実家売却の手順を分かりやすく解説!税金・相続対策も丸わかり」でも解説しています。よりスムーズに実家を売却したいあなたは、ぜひご一読ください。
実家の売却は相続も関係するので、とても手続きが煩雑です。相続も伴う売却の場合は、実家の売却の経験が豊富な不動産屋に依頼するのが安心です。
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9.まとめ
この記事では
- 片付けが必要な理由と片付けの期間
- 自分たちで片付けるか、業者に依頼するか、そのメリットとデメリット
- 自分たちスムーズに片付ける手順、トラブル対策
- 実家売却の片付けで抑えておくべきポイント
- 遺品整理業者の選び方
- 片付け完了から売却までの手順
について解説をしてきました。
実家を高く売却するためには、必ず片付けをしなければなりません。ですが、片付けにはとても時間がかかり、トラブルが多いのも事実。
自分や親族で片付ける場合は、スケジュールやルールをしっかりと決め、スムーズで円満に片付けられるようにしましょう。
人手が少なかったり、手間をかけたくない場合は、業者に依頼することも検討してください。不用品回収業者も対応してくれますが、すべてゴミとして扱うため貴重品や思い出の品を分けてくれません。
思い出や遺品を大切に取っておきたい場合や、貴重品の捜索もお願いしたい場合は、遺品整理士の資格を持った遺品整理業者に依頼することを強くオススメします。
保存するものか処分していいものか迷ったら、
- 貴重品
- 形見になるもの
- 再利用できるもの
は保存しておきましょう。それ以外は処分しても大丈夫です。
体力的にも精神的にも大変な作業ですので、荷物の量や売却査定までに許されている期間、かけられる予算などを加味し、無理のない方法で片付けましょう。