相続した実家を売却するまでには、大まかに分けて6つのステップがあり、最低でも3~6カ月程度の期間がかかります。
一方で、できるだけ税金を抑えて実家を売却したいなら、相続してから3年以内に売却するのがおすすめです。なぜならば、税金の特例や特別控除には期限が決められており、相続後3年以内に売却すれば所得税の額をかなり安くできる可能性があるからです。
つまり、遺品整理や売却期間なども考えると、なるべく早く売却の準備を進める必要があるのです。
この記事では、「実家売却って一体何をすればいいの?」という基本的な部分から、実家売却にかかる税金、実家売却で損をしないための3つのポイントまでを、どのサイトよりも分かりやすく解説していきます。
また、以下のような情報もお伝えします。
◎実家を相続して売却するのと「生前贈与」はどっちがお得?
◎親が認知症になっても安心な「家族信託」について
この記事を読めば、相続した実家を売却するうえで必要な情報を網羅的に理解することが可能です。ぜひ最後までじっくりお読みください。
1. 実家売却は相続から3年以内がオトク
相続した実家を売却するなら、相続後3年以内に進めることが大切です。
売却のタイミングはいつでも変わらないと思うかもしれませんが、実はそうではないのです。3年以内に売却するとさまざまなメリットがあるため、3年を過ぎて売却するより圧倒的にお得となります。
①3年以内なら実家の売却益にかかる税金がかなり安くなる ②早く売却すれば維持費を削減できる ③不動産価値が下がる前に売却できる |
1-1. 3年以内なら実家の売却益にかかる税金が安くなる
実家売却を早めに進める最大のメリットは、実家を相続してから3年に売却すれば、譲渡所得税が安くなるからです。譲渡所得税とは実家を売却して得た利益に対して納める税金のことです。
譲渡所得課税には、以下のような特例が用意されています。
①取得費加算の特例=支払った相続税額の一部を取得費にできる特例で、これを使うと税金が安くなる ②居住用財産の3000万円特別控除=譲渡所得から3000万円を控除できる |
※特例には他にも適用条件があります。
事例によって安くなる税金額はまちまちですが、特例を使えば譲渡所得税がゼロになるケースも少なくありません。
3年以内と3年以降の比較シミュレーションなど、税金についてより詳しく知りたい方は、「相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説」の記事をご覧ください。
1-2. 早く売却すれば維持費を削減できる
不動産は所有しているだけで、固定資産税や修繕費などの維持費がかかります。固定資産税額は物件ごとに異なりますが、年間10万円以上かかるケースがほとんどです。つまり、実家を3年そのままにしているだけでも、30万円の出費がかかる計算です。
また、経年劣化により外壁や水回りなどの修繕が必要な場合も、費用が発生します。
さらに、実家が遠方にあるため管理業者に管理してもらっている場合は、管理委託費が毎月かかります。
所有しているだけで維持費がかかるため、実家にもう住まないのならば、早めに売却してしまった方が無駄な維持費を支払わなくて済みます。
1-3. 不動産価値が下がる前に売却できる
早く売却するメリットの3つ目は、不動産の価値が高いうちに売却できることです。
家屋の資産価値は古くなればなるほど下がります。他の条件が同じで、新築・築3年・築10年・築20年の住居があったら、価格は古いほど下がってしまうのです。
「いつか売却したい」と思いながら5年、10年と時が経ってしまうと、気が付いた時にはかなり価格が下がってしまうかもしれません。また、いざ売却しようとした時に、経年劣化による欠陥が見つかる危険性もあります。
特に人が住まなくなると家は傷んでしまいます。もし実家が空き家になって誰も住んでいないのならば、早めに売却することをおすすめします。
2. 実家売却までの手順を6ステップで解説
前述した通り、実家を相続したら3年以内の売却がお得です。実家売却までには大きく以下の6ステップがあり、期間は3~6カ月程度かかります。
3年以内に売却してさまざまなメリットを受けたいならば、できるだけ早く行動に移ることをおすすめします。
ここからは、実家売却までの6ステップを詳しく解説していきます。
2-1. 相続登記(実家の名義変更)を行う
実家の売却をスムーズに進めるためにまず必要なのが、相続登記です。相続登記とは、相続で取得した実家の登記簿謄本の名義を変更することをいいます。
相続した不動産に登記変更義務はありません。しかし、相続登記が完了していない状態だと、所有者が誰か分からなくなってしまうため、所有者を明確にするために名義変更することを強くおすすめします。
遺産分割協議まで完了していたとしても、名義変更するまでは公には自分のものと認めてもらえません。後々のトラブルを避けるためにも、できるだけ早い段階で名義変更すると良いでしょう。
2-1-1. 相続登記に必要な書類
相続登記に必要な書類は多岐にわたり、登記のケースごとに準備する書類が異なります。
どのケースでも必要な書類 法定相続分に応じた共有名義で登記をする場合 遺産分割協議で取得者が決まった場合 遺言で取得者が決まっている場合 相続放棄した人がいる場合に必要な書類 代理人に登記手続きを依頼する場合に必要な書類 |
2-1-2. 相続登記の費用
相続登記に必要な費用は、登録免許税、書類費用、司法書士への手数料の3つがあります。
登録免許税とは名義変更にかかる税金のことで、実家の固定資産税評価額×0.4%の額を、申請時に収入印紙で支払います。実家の固定資産税評価額が2,000万円なら8万円です。
書類費用とは、相続登記で準備する書類を取得する費用です。1通300円~750円程度ですが用意する枚数が多く、相続人の人数にもよりますが、1万~3万円程度が目安となります。
司法書士への手数料は事務所によって異なりますが、相続登記申請だけならば6~9万円程度、書類集めなどから依頼する場合は10~15万円以上かかることもあるでしょう。
2-1-3. 相続登記は専門家に依頼するのがおすすめ
相続登記は、数多くの書類が必要であること、状況によって必要な書類が異なること、書類の取得先が役所のため平日に限られることなどから、自分一人で進めるのはかなり労力が必要です。
そのため、司法書士などの専門家に依頼するのが効率的でおすすめです。
2-2. 実家に残った遺品を整理する
次にすべきことは実家に残った遺品の整理です。不動産を売却するためには荷物を全て空にする必要があります。
引っ越しとは違い、遺品をどこか別の場所に移動させるわけにはいかないため、ほとんどの物を廃棄処分することになるでしょう。物が少ない場合はスケジュールを決めて自分たちで片付けても良いですが、物が多い場合は遺品整理サービスの活用を検討してみましょう。
遺品整理サービスは、家財道具の片付けや整理、不用品の分別などをお願いできるサービスです。実家の広さや遺品の多さ、時期によっても料金は異なりますが、1軒あたり20万円~60万円程度が料金目安となります。
また、遺品整理とあわせて仏壇の引っ越しも行いましょう。住職を呼んで「魂抜き」「閉眼法要」「精抜き」という供養をしてもらえば仏壇を移動できます。新しい場所に仏壇を移動したら、また住職を呼んで「魂入れ」を行います。
2-3. 実家の評価額を知るため一括査定を行う
遺品整理を行って実家を空っぽにできたら、いよいよ売却に向けて準備を進めましょう。
実家がいくらで売れるか知るために、まずは不動産会社に査定を依頼します。適正価格を知るためには、一社だけでなく複数会社への一括査定がおすすめです。
おすすめの査定の流れ |
不動産査定には、現場を見ずに書類だけで行う「簡易査定」と、実際に家を見てもらう「訪問査定」があります。正しい査定額を知りたいならば、しっかり訪問査定してもらいましょう。
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2-4. 自分でも実家の売却相場を調べる
不動産会社への査定依頼と並行して、自分でも相場を調べておくと良いでしょう。事前に自分で実家の相場を調べておけば、万が一その相場と査定額が違った場合に、その理由を訊ねることができるからです。
相場の調べ方には、以下のような方法があります。
①近隣エリアの過去の取引価格を調べて目安にする方法 |
この中から、「①近隣エリアの過去の取引価格を調べて目安にする方法」を簡単に解説します。
過去の取引価格を調べる場合、国土交通省「不動産取引価格情報検索」が便利です。国土交通省がまとめた土地の価格や広さなどの情報を検索できます。
①土地総合情報システムにアクセスして、都道府県を選ぶ |
個人情報保護の観点から具体的な不動産までは特定できなくなっていますが、地名(例えば東京都渋谷区千駄ヶ谷など)ごとに、どのような物件がいくらで取引されたのかを見て参考にすることができます。
また、「不動産ジャパン」という不動産物件一括検索サイトで、今どんな物件がいくらで売り出されているかを確認する方法もあります。ただし、サイトに出ている価格はあくまで売主の希望価格で、実際に取引が終了した価格ではないので注意が必要です。
土地の評価額の調べ方についてもっと詳しく知りたい方は、「土地の評価額の調べ方を分かりやすく解説|目的別に計算法を紹介」の記事もご覧ください。
2-5. 不動産会社を選定して媒介契約を行う
実家の売却を本格的にスタートするには、不動産会社を選定して媒介契約を結びます。
2-5-1. 不動産会社を選定するポイント
どの不動産会社に仲介を依頼するか迷ったら、以下のポイントに注目してみてください。
|
実家売却を依頼する場合は、全国的に手広く展開している不動産会社よりも、実家があるエリアの「まちの不動産会社」が最適です。実家のあるエリアの事情に明るく、空き家や実家の取引実績が多い不動産会社を選びましょう。
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2-5-2. 媒介契約には3つの種類がある
不動産会社を決めたら、どのような条件で売却活動を行うか、成約報酬はどうするのかなどの内容を定めて契約を行います。
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3つがあり、それぞれメリットデメリットがあります。
媒介契約の種類 |
メリット・デメリット |
一般媒介契約 |
【メリット】複数の不動産会社と契約可能。自分で買主を見つけることも可能。 |
専任媒介契約 |
【メリット】自分で買主を見つけることが可能。契約期間が3カ月に制限されている。レインズに7日以内に登録される。 |
専属専任媒介契約 |
【メリット】契約期間が3カ月に制限されている。報告が密で、レインズに5日以内に登録される。 |
一般的には、自己発見取引(自分で見つけた買い手との直接契約)が認められている一般媒介契約または専任媒介契約のどちらかを選ぶことが多いでしょう。
どの売却契約にするかどうかは、売却戦略やメリット・デメリットを十分に考慮したうえで決めていきましょう。
2-6. 売り出し価格を決めて実家の売却を開始
あとは売り出し価格を決めて、売却活動を開始します。
売り出し価格とは、売却をスタートする売却希望価格のことです。買主との交渉次第で価格が上下する可能性もあるため、売り出し価格=成約価格とは違います。
売り出し価格は、不動産査定価格を踏まえた上で売主の希望価格を加味し、最終的に売主が価格を設定します。
売り出し価格は、実家売却を成功させるかどうかを決める重要なものです。売り出し価格を相場より低く設定すれば買い手がスムーズに見つかりますが、結果的に相場より安く売却するため損してしまいます。また、相場より高くすると、なかなか買い手が見つからず売却に時間がかかったり、結局値下げしたりすることになり損してしまいます。
複数の会社からの査定価格を参考に、急ぎ具合なども加味して決めていきましょう。
3. 【応用編】生前贈与や家族信託の可能性も検討しよう
ここまで相続した実家を売却する流れを解説しましたが、3章では「相続か生前贈与かで迷っている」「親が存命のうちに売却信託する選択肢も考えている」という方に向けて、参考になる情報をお伝えしていきます。
3-1. 存命のうちに実家を贈与してもらう「生前贈与」
親の死後に実家を相続する方法の他に、親が存命のうちに実家を贈与してもらう「生前贈与」という方法があります。生前贈与なら親の意思がはっきり確認できるため、相続で起こりがちなトラブルを避けることもできます。
しかし、生前贈与と相続を比べた場合、生前贈与の方が税金が高額になりやすいため注意が必要です。
3-1-1. 贈与税は相続税よりもかなり高額になる
生前贈与で実家を取得した場合、贈与税の対象となります。贈与税は財産価額が110万円を超えた場合に発生します。贈与税の税率は累進課税で、財産の価値が高ければ高いほど贈与税の税率も上がります。
▼特例贈与財産用の税率(直系尊属から20歳以上の子・孫などに贈与された場合の税率)
基礎控除後の課税価格 |
税率 |
控除額 |
200万円以下 |
10% |
– |
400万円以下 |
15% |
10万円 |
600万円以下 |
20% |
30万円 |
1,000万円以下 |
30% |
90万円 |
1,500万円以下 |
40% |
190万円 |
3,000万円以下 |
45% |
265万円 |
4,500万円以下 |
50% |
415万円 |
4,500万円超 |
55% |
640万円 |
一方、相続税の税率は以下のようになっており、税率も控除額も贈与税と比べて良心的な数字となっています。
法定相続分に応ずる取得金額 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
- |
3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
1億円以下 |
30% |
700万円 |
2億円以下 |
40% |
1,700万円 |
3億円以下 |
45% |
2,700万円 |
6億円以下 |
50% |
4,200万円 |
6億円超 |
55% |
7,200万円 |
相続税には居住用財産の3000万円特別控除などの特例もあり、贈与税よりも税金を安くできる可能性が多いといえます。
ちなみに、60歳以上の親や祖父母から子や孫に対して贈与した時に使える相続時精算課税制度が適用できるなら、最大2,500万円の贈与分まで贈与税はゼロにできます。ただし、生前贈与の贈与税がゼロになっても、贈与した人が亡くなった場合には生前贈与した財産も相続税の課税対象になります。
3-1-2. 生前贈与なら希望する相手に実家を渡せる
前述したように、税金面から考えると、生前贈与よりも相続の方がお得です。それでも生前贈与を選ぶメリットがあります。それが、生前贈与なら希望する相手に確実に実家を渡せるという点です。
相続では、たとえ遺言で実家の継承者を指定したとしても、他の相続人が異議を申し立てれば、遺言通りに相続が行われないことがあります。
つまり、確実に実家の所有を継承したいならば、生前贈与をあえて選ぶ選択肢もあります。
3-2. 親名義のまま管理・処分を委任してもらう「家族信託」
家族信託とは、保有する不動産や優貯金などの資産を信頼できる家族(受託者)に託し、その管理や処分を任せる仕組みです。
委託者:財産を託す人。一般的には親など。 |
家族信託を結び、親が存命のうちに実家の名義を子どもの名義にしておけば、両親が認知症などになっても、受託者である子が親に代わって実家を売却することが可能です。売却益が出た場合は、受益者である親に利益を還元します。
成年後見人が選任されたとしても、家族信託を設定した財産については成年後見人の権限は及ばないため安心です。
また、家族信託の契約書の中で、親が亡くなった後に財産を引き継ぐ人を指定できるため、遺言の代わりになるメリットがあります。つまり、家族信託を使えば、親が亡くなった後に実家の管理を引き継げるのです。
相続トラブルの事前対策としても有効な方法といえるでしょう。
4. 実家売却で損しないための3つのポイント
いよいよ実家売却を進める場合に、損しないための3つのポイントを解説します。
①税金が安くなる特例・特別控除を理解しておくこと ②共有のまま売却する場合はルールを決めておくこと ③土地勘のある不動産会社など複数社に査定を依頼すること |
4-1. 税金が安くなる特例や控除を理解しておくこと
実家を相続した時や売却して利益が出た時に納める相続税や譲渡所得税は、かなり高額になることがあります。評価額が高ければ高いほど、納める税金は高額になります。
しかし、税金を軽減できる特例や特別控除を使えば、税金の負担を抑えられます。場合によっては、特例を使うことで税金をゼロにできるケースもあります。
例えば、実家を売却して利益が出た場合に3,000万円特別控除を使えれば、売却益から取得費や経費などを除いた額が3,000万円以下なら税金はゼロになります。
相続税や譲渡所得税は自分で申告するものなので、特例や特別控除を知らないで申告してしまうと損してしまうことになります。自分のケースではどの特例や控除を使えるのか、しっかり理解して正しく使いましょう。
<相続した実家を売却する場合に使える特例>
実家に自分も住んでいた場合 |
実家に住んでいなかった場合 |
①取得費加算の特例 |
①取得費加算の特例 |
特例ごとに細かい適用条件が定められているため、どの特例が使えるかはケースによって異なります。より詳しく知りたい方は、「相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説」の記事をご覧ください。
4-2. 共有のまま売却する場合はルールを決めておくこと
相続の際に実家を「換価分割」すると決めた場合は、以下のような点についてルールをあらかじめ決めておくことが大切です。
|
なお共有物件の売却には、共有者全員の同意が必要です。ここでは全員の同意が得られていると仮定して解説していきます。
①売却の窓口となる代表者を一人に決める
不動産売却を進める際には、不動産会社の担当者と連絡を取る必要があります。その度に全員が揃って対応するのは現実的ではないため、窓口となる一人を決めておきましょう。やり取りの他、仲介手数料の支払いなど一時的にお金を立て替える役目も担います。
窓口を一人に決めておかないと、不動産会社や買い手に「言っていることがバラバラ」「誰に聞けばいいのか分からない」などマイナスイメージを与えかねません。
②売却最低価格を決めておく
代表者を一人決めておくのと同時に、売却最低価格を共有者全員で決めておきましょう。価格は不動産査定の結果や不動産会社と相談のうえ決めると良いでしょう。
あらかじめ売却最低価格を決めておけば、買い手が現れたタイミングでスムーズに値段交渉でき、買い手を逃してしまうリスクを避けられます。
③売却額ではなく経費を差し引いた額を分割すると決めておく
実家の売却額をそのまま分割するのではなく、売却にかかわる費用を引いた手残りの金額を分割するということを、共有者全員で認識しておくようにしましょう。
不動産売却時には、登記費用や仲介手数料が発生します。また、売却益があった場合は税金もかかります。一般的には、費用を引いた手残り金額は売却価格の8割程度といわれています。
あらかじめこの点を共有者全員に周知しておくことで、後々のトラブルを避けられます。
4-3. 土地勘のある不動産会社など複数社に査定を依頼すること
実家売却で損しないポイントの最後にお伝えするのは、不動産会社の選び方についてです。
できるだけ損をせず売却したいなら、土地勘のある地元の不動産会社を含めた複数の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。そうすることで、適正な売り出し価格が分かり、結果的に実家を高く売却できる可能性が高いからです。
特に実家が遠方の場合や地方に位置している場合は、不動産会社は地元の会社を選ぶと良いでしょう。
・実家があるエリアの売却実績が豊富であること
・そのエリアの土地勘があること
土地勘のある担当者の方がより正確に査定できますし、法規制や条例など地域のさまざまな情報に長けているため、売却活動において有利となることが多いでしょう。
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5. 実家の相続から売却までにかかる4つの税金
ここでは、相続した実家を売却する前に知っておきたい税金のことを解説します。
実家を相続して売却する場合、相続税・登録免許税・印紙税・譲渡所得税(+住民税)の4種類の税金がかかります。
税金の種類 |
概要 |
相続税 |
実家を含む遺産を相続した時にかかる税金で、申告が必要。ただし、遺産総額が基礎控除額以下なら税金はゼロ。 |
登録免許税 |
実家の名義変更時にかかる税金。別途、司法書士への手数料がかかる。 |
印紙税 |
実家を売却する売買契約時にかかる税金。売買契約書に貼ることで納税する。 |
譲渡所得税+住民税 |
実家を売却して利益が出た時に納める税金。譲渡所得税は確定申告で納税し、住民税は後で徴収される。かなり高額になることも。 |
5-1. 遺産を相続した時にかかる「相続税」
相続税は、親などが亡くなり、実家や現金などの資産を相続した時にかかる税金です。原則として、相続開始の翌日から10カ月以内に申告する必要があります。
ただし、「基礎控除額」という非課税になる金額が設定されており、その金額よりも少なければ相続税は払う必要はありません。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数 |
例:法定相続人が3人の場合、基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円
この場合、相続した遺産の合計額が4,800万円以下ならば、相続税はかからず申告の必要もありません。
遺産の合計額が基礎控除額を超える場合の計算手順は以下の通りです。
相続税の計算手順 |
課税価格 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
- |
3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
1億円以下 |
30% |
700万円 |
2億円以下 |
40% |
1,700万円 |
3億円以下 |
45% |
2,700万円 |
6億円以下 |
50% |
4,200万円 |
6億円超 |
55% |
7,200万円 |
より詳しい相続税の計算方法について知りたい方は、「相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説」の記事をご覧ください。
5-2. 実家の名義変更時にかかる「登録免許税」
不動産の名義変更(相続登記)をする時にかかる税金が「登録免許税」です。登録免許税の金額は、実家の固定資産税評価額をもとに決まります。
登録免許税額=固定資産税評価額×0.4% |
例えば、固定資産税評価額が3,000万円なら、登録免許税額は12万円となります。固定資産税評価額は市区町村が計算するもので、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を見れば金額が分かります。
相続登記にはかなり手間がかかるため、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士に依頼する費用は、だいたい5万~10万円程度です。
5-3. 売買契約時にかかる「印紙税」
実家の買い手が見つかり、売買契約書を交わす時にかかるのが「印紙税」です。契約書に印紙を貼ることで納めます。
印紙税額は、以下の表のように契約金額ごとに決められています。例えば実家を2,000万円で売却する場合の印紙税額は、軽減措置が適用され1万円となります。
契約金額 |
印紙税額 |
軽減措置※ |
100万円超500万円以下 |
2,000円 |
1,000円 |
500万円超1,000万円以下 |
1万円 |
5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 |
2万円 |
1万円 |
5,000万円超1億円以下 |
6万円 |
3万円 |
1億円超5億円以下 |
10万円 |
6万円 |
※平成26年4月1日から令和4年3月31日の間に作成される契約書については軽減措置の対象となります。
5-4. 売却して利益が出たら納める「譲渡所得税・住民税」
譲渡所得税とは、譲渡所得(=不動産を売却して出た利益)に対して払う税金のことです。平成49年までは、譲渡所得税に復興特別所得税が上乗せされています。
譲渡所得税は確定申告で納税し、その後、譲渡所得に応じた住民税が市区町村から徴収されます。
【所有期間5年以下の場合】 |
【所有期間5年超の場合】 |
譲渡所得は、売却価格-(取得費+譲渡費用)で計算します。相続してから3年10カ月以内に実家を売却した場合は、支払った相続税のうち一定の額を取得費に加算でき、譲渡所得税を安くできます。
譲渡所得の計算方法や、譲渡所得税の算出方法を詳しく知りたいは、「相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説」の記事をご覧ください。
6. 迷ったら早めに不動産会社に相談しよう
これまで、実家売却についてのさまざまな情報をお伝えしました。「相続した実家を売却するって、結構大変…」と感じた方も多いのではないでしょうか。
実家を相続してから売却し終えるまでは数々の工程があります。しかも、節税のメリットを享受するためには、3年以内にそれらを終える必要があります。そう考えると、できるだけ早めに売却の準備を進めなければならないことが分かりますよね。
迷ったら、不動産売却のプロである不動産会社に早めに相談することをおすすめします。
実家がいくらぐらいで売れるのか査定してくれるだけではなく、少しでも高く売るためのコツなど、さまざまな相談に乗ってもらえます。
査定依頼や相談は無料なので、早めにいくつかの不動産会社に連絡し、信頼できる不動産会社と実家売却を進めていくのがおすすめです。
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まとめ
ここまで、実家売却に関して必要な情報をどこよりも分かりやすく解説してきました。
最後に、重要なポイントだけもう一度説明します。
実家売却は相続から3年以内がオトク! 実家売却までは、最低でも3~6カ月程度かかる。 |
税金がかなり安くなる3000万円特別控除などの特例を受けるためにも、実家を相続したらできるだけ早めに売却に向けて動き出すことをおすすめします。
あなたの実家売却がスムーズに進むことを願っております。