「土地の一部を売りたいけれど、何をどうしていいのかわからない…」と悩んでいませんか?
土地の一部分を売却するためには、まず分筆をしてから土地を売り出す必要があります。
土地を分筆してから売却するまでの流れは以下の通りです。
▼土地の分筆してから売却するまでの流れ
|
上記のような流れで分筆をしてから土地を売却しますが、ただ流れを押さえておくだけでなく、分筆のポイントを押さえておくことで、土地の価値を高めて、少しでも高く売却することが可能です。
そこで今回は、以下の内容を徹底解説していきます。
- 土地売却における分筆とは?
- 土地を分筆してから売却するまでの流れ
- 土地を分筆する際に必要な費用
- 少しでも高く売却できる分筆のポイント
- 土地を分筆して売却する際の注意点
本記事を読むことで、土地を分筆して売却するまでの流れや準備するべきものがわかり、少しでも高く売却できる分筆のポイントを知ることができます。
そして、分筆してから売却するためのファーストステップを踏み出すことが可能です。
ぜひ最後までお読みください。
個人が分筆した土地は2つ以上売り出すことができないので注意しましょう。 |
1.土地売却における分筆とは?
先述の通り、土地の一部を売却するためには分筆が必要です。
分筆した土地を売却する流れやポイントを知っておく前に、まずは「分筆とはどういうものなのか」をしっかり理解しておきましょう。
1-1.分筆とは
分筆とは、登記簿上1つの土地を2つ以上の土地に分けて登記し直すことです。
分筆された土地には新たな地番がつけられ、それぞれ独立した土地として登記されます。
例えば、32番の土地を2つに分筆した場合、以下の通りになります。
1-2.分筆と分割の違い
分筆とよく混同されるのが「分割」ですが、この両者の違いは登記をするかどうかです。
分筆は土地を分けて、それぞれの土地を登記し直します。
1つの土地を2つの土地に分け、登記上別々の土地にして、所有権を分けるのです。
土地の一部分を売却するためには、登記上1つの土地として認められるように、分筆が必要になります。
一方で分割は、建築基準法を満たすよう、机上の土地の線引きをすることを言います。
登記簿上では同じ土地として登記され所有権も変わらないので、土地を分割しても登記し直す必要はありません。
分割は1つの土地に複数の建物が建てられるよう、建築基準法の条件を満たして土地を分けるために行うのです。
2.土地を分筆してから売却するまでの流れ
土地を分筆してから売却するまでの流れは以下の通りです。
▼土地の分筆してから売却するまでの流れ
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多くの場合、分筆に関わる内容は土地家屋調査士に依頼して対応をお願いするため、分筆してから売却までの流れは、土地家屋調査士に依頼する前提でご紹介します。
それでは詳しく見ていきましょう。
2-1.土地の相場を調べる
まずは売却したい土地の相場を調べましょう。
2-1-1.土地の相場を調べる理由
不動産会社から査定をしてもらう前に適正な相場を把握しておくことで、査定結果を見て相場通りなのか、相場より高いのか低いのかを判断できます。
相場より低い不動産会社を避け、少しでも高く売却できる不動産会社を選択するために、土地の相場を知っておきましょう。
2-1-2.相場の調べ方
土地の相場の調べ方は、3つあります。
1.国土交通省の「土地総合情報システム」を利用 |
実際に成約した過去の取引事例を検索できる。 |
2.「標準地・基準値検索システム」を利用 |
地価公示価格を検索して相場がわかる。 |
3.「全国地価マップ」を利用 |
路線価を検索して相場がわかる。 |
より詳細に調べ方を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
➡土地売却の相場の調べ方!いくらで売れるか自分で調べる方法と注意点
2-2.不動産会社に査定を依頼する
次に不動産会社に査定を依頼します。
2-2-1.査定は2種類ある
査定は下記2種類あります。
査定の種類 |
内容 |
簡易査定(机上査定) |
現地訪問しないで簡易的に査定を行う方法 |
訪問査定(詳細査定) |
現地訪問をして調査をした上で査定を行う方法 |
複数社(できれば4〜5社ほど)不動産会社に簡易査定を依頼し、その結果を比較検討して1〜2社に絞り、訪問査定を依頼すると良いでしょう。
2-2-2.複数の不動産会社に査定依頼しよう
不動産会社は複数社に査定依頼をするようにしましょう。
その理由は、不動産会社ごとに査定結果が異なるためです。
できるだけ良い条件での売却をするためには、複数の査定結果を比較検討して、訪問査定を依頼する会社を決定する必要があるのです。
そこでまずは、インターネットから無料で複数社に簡易査定依頼を申し込める、「一括査定サービス」を利用しましょう。
1社1社に査定依頼をしなくて済むのでスピーディに複数社から簡易査定結果をもらうことが可能です。
当社でも「複数いっかつ査定」という一括査定サービスがありますので、ぜひご利用ください。
2-3.媒介契約を締結する
次は不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、土地売却の仲介を不動産会社に依頼する際に締結する契約です。
媒介契約には種類が3つあります。
媒介契約 |
内容 |
一般媒介契約 |
・複数の不動産会社に仲介を依頼できる。 |
専任媒介契約 |
・仲介を依頼できる不動産会社は1社のみ |
専属専任媒介契約 |
・仲介を依頼できる不動産会社は1社のみ |
どの媒介契約が良いのかは、ご自身の状況によって異なります。
媒介契約の選び方については、下記記事をご覧ください。
➡媒介契約とは?3種類の媒介契約の違いと選び方をわかりやすく解説
2-4.土地家屋調査士に相談・依頼する
次は土地家屋調査士に分筆の相談・依頼をします。
2-4-1.土地家屋調査士とは
土地家屋調査士とは、分筆を行う際に必要な土地の調査や測量を行う専門家のことです。
登記申請も代理で対応してもらえます。
自分で測量や登記をすることはもちろん不可能ではありませんが、時間や労力がかかったり、知識がないと手続きが難しかったりするため、基本的には土地家屋調査士に相談をするようにしましょう。
2-4-2.土地家屋調査士の探し方
土地家屋調査士は不動産会社に紹介してもらうのがおすすめです。
自分で探す手間が省け、スムーズに分筆して売却するまでの流れを進めていくことができるためです。
土地売却の仲介を依頼する不動産会社が決定したら、土地家屋調査士の紹介を依頼してみましょう。
2-5.土地家屋調査士によって法務局・役所での調査を行う
次は土地家屋調査士が、法務局や役所で現在の土地の状況の調査を行います。
土地家屋調査士は、以下の内容を法務局や役所に行って取得し、調査を進めます。
書類 |
内容 |
公図 |
土地のおおよその位置や形状を表した図面 |
地積測量図 |
道路や隣接する土地との境界を定めた上で測量し、その結果を記載している図面 |
確定測量図 |
土地の境界を確定させた測量図 |
登記事項証明書 |
登記簿の記録をプリントアウトしたもの |
2-6.現地調査・現地立会いをする
次は土地家屋調査士が、現地調査と現地立会いを行います。
具体的には、土地家屋調査士が役所の職員や隣地土地所有者に立ち会ってもらい、筆界や境界を確認します。
筆界は公的な境界のことで、役所の職員と一緒に確認をする必要があります。
境界は隣接地の当事者間で合意された境界線のことで、隣地の所有者と一緒に確認をします。
2-7.境界確定測量をする
もし隣接地との境界が明確でない場合は、土地家屋調査士が境界確定測量を行います。
境界確定測量とは文字通り、隣接地との境界を確定させるために土地家屋調査士が土地を測量し、過去の測量図などと照合して、一方的に不利な確定にならないように、境界線を検討することです。
実際に境界が決まったら隣地所有者にも境界を確認して合意してもらい、「筆界確認書」「境界確定図」を作成します。
これで土地の境界が明らかになります。
2-8.分筆案の作成をする
土地家屋調査士と分筆依頼者との話し合いによって、測量結果をもとにどのように土地を分筆するのか、分筆案が作成されます。
どのような目的で分筆をするかどうかで、分筆案の内容が変わるため、分筆後の土地は売却したい旨をきちんと伝え、分筆案を考えてもらうようにしましょう。
2-9.隣地所有者に立ち会いをしてもらう
分筆を行うために、隣地所有者に立ち会ってもらい、分筆の同意を得る必要があります。
また、家の前が市道や県道の場合は役所の立ち会いも必要です。
2-10.境界標の設置をする
分筆について隣地所有者や役所の同意を得られたら、境界標を設置します。
境界標は、石杭や木杭、プラ杭や鉄杭などを使用して打ち付けますが、最近では劣化しにくい鉄の境界標を使用することが多い傾向にあります。
2-11.登記書類の作成・申請をする
境界標が設置できたら、土地家屋調査士が登記申請のための書類を作成し、法務局へ提出します。
土地を分筆する際に必要な書類は以下の通りです。
これらの書類は、土地家屋調査士の専門家に依頼すれば揃えてもらうことができ、登記まで行ってくれます。
書類 |
登記申請書 |
筆界確認書 |
地積測量図 |
現地案内図 |
委任状(分筆の登記を代理人が行う場合は委任状が必要) |
2-12.売り方の戦略を立てる
不動産会社の担当者と打ち合わせをして土地をどうやって売っていくのか、売り方の戦略を立てましょう。
具体的には、不動産会社の営業担当者が打ち合わせの時に、売主の売却希望条件を詳細にヒアリングし、その希望を叶えるために最適な戦略を提案してもらえます。
売り方の戦略を立てるのは不動産のプロなので、売主は戦略を建ててもらうために自身の要望をしっかり伝えることが重要です。
以下の情報は営業担当者にしっかり伝えるようにしましょう。
戦略を立ててもらうために伝えるべき情報 |
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2-13.不動産会社が販促活動を行う
不動産会社が販促活動を行います。
不動産会社が行う販促活動とは、不動産会社が土地の売り出しについて広告を出したり、土地購入検討をしている人に対して物件を紹介したりすることです。
売主は定期的にもらえる販促活動報告を確認して、状況を見守ります。
販促活動報告は、専任媒介契約であれば2週間に1回以上、専属専任媒介契約なら1週間に1回以上売主に対して行われます。
一方で、不動産会社が販促活動中に売主がやるべきことがあります。
それは、不動産会社から定期的に提出される販促活動報告についてしっかり確認し、問題があれば指摘するということです。
営業担当者の身を引き締める意味でも、そしてより早く買主を見つけるという意味でも、販促活動の問題点を指摘するというのは重要なことなのです。
報告内容は、実際に行った販促活動や問い合わせ件数、内覧件数、お客様の感想、所感などが記載されているので、その中で問い合わせ件数や内覧件数が少ない場合には、その理由や今後の対策について営業担当者に確認をするようにしましょう。
2-14.土地購入希望者と条件交渉をする
土地購入希望者と条件交渉をします。
この条件交渉は、媒介契約を締結した不動産会社が購入希望者との間に入って行います。
条件交渉がまとまれば、売買契約書の草案を不動産会社が作成します。
そして売主と購入希望者それぞれが、その売買契約書の草案を確認し、詳細の条件を詰めて完成させます。
土地購入希望者から多い要望は、以下のような内容です。
- 値下げ交渉
- 確定測量図を確認したい
- 古家の解体費用は売主負担にしてほしい
- 引き渡し日程を早めてほしい、延期してほしい
不動産会社はこれらの要望に対して、売主の意見を聞きながら、交渉をまとめていきます。
2-15.売買契約をする
売買契約を締結します。
売買契約は、不動産会社のオフィスに売主と買主が集まり、売買契約を締結します。
売主、買主が顔を合わせて最終的な合意を取れるのは安心感があるため、このスタイルでの売買契約の締結が基本的には多い傾向にあります。
具体的には、以下の流れで売買契約を締結していきます。
売買契約の流れ |
1.顔合わせ(あいさつ) |
2.重要事項説明 |
3.売買契約書の読み合わせ |
4.売買契約書へ署名・捺印 |
5.手付金の受領(買主→売主) |
6.仲介手数料の半金を支払う(売主・買主→不動産会社) |
もし不動産会社のオフィスに集まることが難しい場合、「持ち回り契約」という方法で売買契約を締結することもできます。
持ち回り契約とは、不動産会社が売主と買主それぞれの自宅へ契約書を持っていき、それぞれ署名・押印をして売買契約を締結させる方法のことです。
不動産会社のオフィスからは遠方に住んでいて対面形式の売買契約が難しい場合は、持ち回り契約を選択すると良いでしょう。
2-16.決済・引き渡しを行う
決済と引き渡しを行います。
この場合の決済とは、買主が売主に対して土地の成約金額を支払い、売買取引を完了することです。
そしてそれと同時に、売主から買主へと土地の所有権の移転登記申請を行い、土地を完全に引き渡します。
決済・引き渡し当日には、土地の所有移転登記手続きを行う司法書士、買主がローンを組む金融機関の担当者立ち合いのもと、以下の流れで決済・引き渡しが行われます。
決済・引き渡しの流れ |
1.司法書士が物件の所有権移転登記をするための書類をチェックする |
2.金融機関のローンが実行され買主の口座に入金される(ローンを組む場合) |
3.売買代金の残額が買主から売主へ支払われる |
4.仲介手数料や登記費用を支払う(売主・買主→不動産会社、売主→司法書士) |
5.司法書士が登記所へ行き所有権移転登記の手続きを行う |
6.後日買主へ登記済権利証(登記識別情報通知)が郵送される |
売主は当日、仲介手数料の残額の支払いと土地所有移転登記費用の支払いが必要になります。
前もって準備しておくようにしましょう。
3.土地を分筆する際に必要な費用
土地を分筆する際には、土地家屋調査士への報酬と登録免許税の費用が必要になります。
土地を分筆する際に必要な費用一覧は以下の通りです。
費用項目 |
金額 |
資料調査 |
3万円程度 |
測量費 |
10万円 |
筆界確認書作成費 |
10万円 |
境界確定図作成費 |
10万円 |
登記申請費 |
5万円 |
登録免許税 |
分筆後の土地の数×1,000円 |
それでは各項目について具体的に見ていきましょう。
①資料調査
土地家屋調査士が法務局で、公図や地積測量図、境界確定図などの図面を調査するための費用です。
測量の必要がある場合には、測量地以外の資料も取得する必要があり、時間と労力がかかります。
②測量費
隣接地との境界が確定していない場合に行う測量にかかる費用です。
土地の形状や大きさ、障害物の有無などにより作業量が異なるが、土地面積が大きい方が費用はかかります。
③筆界確認書作成費
境界が確定していない場合に、隣地との境界を確定させる測量を行い、土地所有者と隣地所有者の両者に合意してもらって、署名・押印をしてもらうための筆界確認書作成を土地家屋調査士にしてもらう費用です。
④境界確定図作成費
境界が確定していない場合に、隣地との境界を確定させる測量を行い、土地所有者と隣地所有者の両者に合意してもらった際の境界の確定図面を土地家屋調査士に作成してもらう費用です。
⑤登記申請費
分筆の登記の申請を土地家屋調査士にしてもらう費用です。
⑥登録免許税
分筆の登記をする際にかかる税金です。
分筆後の土地の数×1,000円の費用が必要になります。
4.少しでも高く売却できる分筆のポイント
分筆をする際、土地の分け方次第では、土地の価値が上がったり下がったりします。
そこで、土地の価値を下げず、できれば少しでも高く売れるような土地の分け方のポイントをご紹介します。
- 土地の形状を整形地にする
- 接道義務を満たす土地にする
- 旗竿地にならないようにする
それでは詳しく見ていきましょう。
4-1.土地の形状を整形地にする
分筆する際に土地の形状を整形地にすると、価値の高い土地として高く売却することができます。
整形地とは、正方形や長方形などの形状になっていて、歪な形をしていたり、角が欠けていたりすることのない土地のことです。
このような整形地の場合、土地の形状で建築が制限されることがないため、建物のプランの自由度が高くなります。
そのため買主からの人気は高くなり、価値が高まって、高額での売却が可能になるのです。
一方で不整形地と呼ばれる三角形の土地や、歪な形をした土地を売却するとなると、建物を立てる際にムダが発生したり、建築プランに制限が出てしまったりと、買主から見て不都合が多くなります。
そのため市場価値が下がってしまい、よほど価格を下げなければ売れにくくなってしまいます。
土地の形状については不動産会社や土地家屋調査士の方とよく相談しながら、価値の高い土地となるような分け方ができるようにアドバイスをもらうようにしましょう。
4-2.接道義務を満たす土地にする
分筆して土地の一部を売却する際、接道義務を満たす土地にすると、土地の価値を下げることなく売却することができます。
接道義務とは、建物を建てる土地は幅4m以上の道路に、2m以上接しなければならないという法律による決まりです。
接道義務を果たしていない土地には、建物は建てられないことになっています。
将来的に建物を建てたいと思っている買主からすると、接道義務を果たしていない土地は価値が低く、売却価格が下がってしまうどころか、購入すらしてもらえなくなってしまう可能性があります。
4-3.旗竿地にならないようにする
4-2.でご紹介した「接道義務」ばかりを気にして土地を分筆し、「旗竿地(はたざおち)」にしてしまうと、土地の価値を下げてしまいます。
旗竿地とは、道路と接する出入口部分が細い通路のようになっていて、通路を抜けると土地が広がっているような形状の土地のことです。
旗竿地にすると土地の価値が下がってしまう理由は、以下の通りです。
- 通路が狭くて駐車ができない可能性がある
- 新しく家を建てる際に重機が入らず手作業が増え、建築費がかさんでしまう
- 土地にムダなスペースが生じてしまう可能性がある
もし可能であれば旗竿地にしないように分筆すると、土地の価値を下げることなく売却をすることができます。
5.土地を分筆して売却する際の2つの注意点
土地を分筆して売却する際、できれば失敗をしたくないですよね。
そこで分筆した土地を売却する際の注意点を以下2つご紹介します。
- 分筆した土地は複数売り出すことはできない
- 分筆した土地の上に建物がある場合は、建物の登記が必要になる
それでは詳しく見ていきましょう。
5-1.分筆した土地は複数売り出すことはできない
個人が分筆した土地は2つ以上売り出すことができないので注意しましょう。
なぜなら複数の土地を売却できるのは、国土交通大臣や都道府県知事から不動産事業を認められた業者のみであると、法律で定められているためです。
個人が2つ以上の土地を同時にまとめて売却したり、複数の土地を続けて売却したりすると、事業性があると判断され、「宅地建物取引業法」の違反となってしまうのです。
例えば広い土地を所有していて、その土地を3つに分筆した場合、売却できるのはその3つの土地のうち1つです。
ただし分筆した土地のうちの1つを売却したら、その後は一切土地を売却できなくなるわけではありません。
ある一定期間が過ぎれば、分筆した残りの土地も売却は可能です。
しかしその期間については明確に定められていないので、個人では判断が難しくなっています。
もし分筆した土地の1つを売却した後に、もう一つ分筆した土地を売却したい場合は、不動産会社に相談し、慎重に売却をして良いのかどうか判断しましょう。
5-2.分筆した土地の上に建物がある場合は、建物の登記が必要になる
分筆した土地に上に建物が建っている場合、建物の登記を行う必要があります。
なぜなら分筆を行うことによって、土地の地番が変わるためです。
建物の所在地番は土地の地番に合わせているので、建物の登記を変更する必要があります。
土地を分筆した際に建物の変更登記を忘れてしまうと、もし建物と土地を売却する場合に建物の所在が確認できなくなってしまいます。
所在が確認できない建物は売却の手続きができないため、分筆後に建物と土地を売却する予定がある場合は、必ず建物の登記変更を忘れないようにしましょう。
ちなみに建物の登記変更も土地家屋調査士に依頼すれば対応してもらうことが可能です。
6.まとめ
本記事では分筆した土地を売却するための流れや必要な費用、注意点や少しでも高く売るためのポイントをご紹介しました。
ここで改めて本記事の内容をおさらいしてみましょう。
・分筆とは、登記簿上1つの土地を2つ以上の土地に分けて登記し直すこと
・土地を分筆してから売却するまでの流れ
▼土地の分筆してから売却するまでの流れ
|
・土地を分筆する際に必要な費用
費用項目 |
金額 |
資料調査 |
3万円程度 |
測量費 |
10万円 |
筆界確認書作成費 |
10万円 |
境界確定図作成費 |
10万円 |
登記申請費 |
5万円 |
登録免許税 |
分筆後の土地の数×1,000円 |
・少しでも高く売却できる分筆のポイント
- 土地の形状を整形地にする
- 接道義務を満たす土地にする
- 旗竿地にならないようにする
・土地を分筆して売却する際の2つの注意点
- 分筆した土地は複数売り出すことはできない
- 分筆した土地の上に建物がある場合は、建物の登記が必要になる
本記事が参考になれば幸いです。