不動産購入コラム
【不動産購入の流れ3】資金計画
結婚、出産、子供の進学、住宅の購入など人生には様々なライフイベントがありますが、これらのイベントの中で、住宅の購入は最もお金のかかるライフイベントです。
資金計画をしっかり立てることができなかった場合、返済に支障が生じて不動産を手放さなくてはならない可能性もあるので注意が必要です。
この記事では、不動産の購入を進める際に重要な資金計画について解説します。
目次
余裕を持った資金計画を立てることが重要
不動産を購入する際は、自己資金だけでは購入資金が不足するため、住宅ローンを契約して物件を購入するのが一般的です。住宅ローンを契約する金融機関は、無理な融資を行って契約者が滞納に陥らないように、独自の判断基準で過度の融資を行わないようにしています。
しかし、いくら金融機関が過度の融資を行わないようにしていても、何らかの理由によって返済が困難になる可能性があるので注意が必要です。例えば、住宅ローンの契約で夫婦の収入を合算した総収入で返済計画を立てたものの妻が妊娠して産休と育児休暇に入ると収入が不安定になることはよくあります。また、どちらか一方が病気になった場合も同様です。
契約時は問題なくても、その後に何が起こるかは誰にも分からないため、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。また、不動産の購入費用は以下のように様々な費用があるため、それらもしっかり理解しておく必要があります。
費用の種類 | 費用の詳細 |
契約にかかる費用 | 仲介手数料、印紙税 |
ローン契約にかかる費用 | 印紙税、ローンにかかる諸経費 |
残金決済・引き渡しにかかる費用 |
仲介手数料、登録免許税 固定資産税、火災保険料 |
それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
資金計画①:契約にかかる費用
契約にかかる費用として、以下の2つが挙げられます。
・印紙税
どのくらいの費用がかかるのかを詳しく見ていきましょう。
印紙税
印紙税とは、売り手と買い手が売買契約書を交わす場合に納める税金です。印紙税の金額は、売買契約書に記載されている金額によって以下のように異なります。
契約金額 | 印紙税額 | 軽減措置 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
資金計画②:ローン契約にかかる費用
不動産を購入する際は、自己資金だけでは不足するため、住宅ローンを契約するのが一般的です。住宅ローンを契約する際は、以下の2つの費用がかかります。
・印紙税
・ローンにかかる諸経費
それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
印紙税
売り手と買い手が売買契約書を交わす際に印紙税を納めるのと同様、ローンの契約者と金融機関がローン契約書を交わす際も印紙税を納めます。
印紙税の額はローンの契約金額ごとに異なります。適用される印紙税額は売買契約書と同じなので売買契約の表をご確認ください。
ローンにかかる諸経費
ローンにかかる諸経費として、以下のような費用が挙げられます。
・事務手数料
・抵当権設定時の登録免許税
・ローン保証料
その他住宅ローンの契約では、契約者の万が一の事態に備えて団体信用生命保険の加入が必須になりますが、民間の金融機関の場合、保険料は金融機関が支払うので、負担はありません。
金融機関やローンの種類によってかかる費用が異なるため、不動産会社の担当者に相談すると良いでしょう。
資金計画③:残金決済・引き渡しにかかる費用
残金決済や不動産を引き渡す際にも以下のような費用がかかります。
・仲介手数料
・登録免許税
・固定資産税
・火災保険料
・その他費用
それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社を介して売買契約を締結した場合に不動産会社に支払う手数料です。仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が以下のように定められています。
不動産購入価格 | 仲介手数料 |
200万円以下の部分 | 売却価格の5%以内 |
200万円超400万円以下の部分 | 売却価格の4%以内 |
400万円超の部分 | 売却価格の3%以内 |
不動産購入価格が400万円を超える場合、「(売却価格×3%+6万円)+消費税」という速算式で仲介手数料を算出できます。
不動産の購入価格が4,000万円だった場合の仲介手数料は138万6,000円です。
登録免許税
残金決済が完了して不動産の引き渡しを受けると所有権は移転しますが、第三者が見ても所有権が移転したことが分かるように、所有権移転登記を行います。
また、住宅ローンの契約者が万が一滞納した場合でも、金融機関が不動産を売却してローン残債を回収できるようにするために抵当権を設定します。
これらの所有権移転登記や抵当権設定登記は手続きが複雑で手間と時間がかかるため、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士に依頼した場合には、司法書士報酬に加えて所有権移転登記や抵当権の設定登記の登録免許税がかかります。
登録免許税の計算方法は複雑なので、不動産会社や司法書士にどのくらいかかるか確認することをおすすめします。
固定資産税
不動産取得にかかる費用の中には、売り手が既に支払ってしまっているものがあります。例えば、固定資産税や都市計画税、管理費などです。
これらの費用は、最終的に日割りして買い手が売り手に支払うので覚えておきましょう。
火災保険料
住宅ローンを契約する際は、居住を開始するとともに建物に万が一の事態が生じた場合に備えて、火災保険料を支払います。
日本は地震による被害を受けやすいため、火災保険ではなく地震保険の加入を望んでいる人も多いかもしれませんが、地震保険だけに単独で加入することはできません。地震保険に加入する際は、火災保険の加入が必須という点に注意が必要です。
その他費用
残金決済や不動産を引き渡す際には、他にも以下のような費用がかかります。
・不動産取得税
・引越し費用
・リフォーム費用
不動産取得税とは、不動産を購入して取得した場合にかかる税金です。新居に引越す際は、引越し費用がかかりますが、繁忙期かどうかによって大きく異なります。繁忙期の場合は、大幅に費用がかかるため、なるべく避けて依頼するのが費用を抑えるポイントです。
売出価格の安い物件を購入しても、リフォームが必要な場合には予定よりも支出が増える可能性があります。どのような費用がかかるのかをよく考えてから購入を進めましょう。
まとめ
不動産の購入では、自己資金だけでは購入資金が不足するため、住宅ローンを契約するのが一般的です。しかし、住宅ローンを契約する際は、無理のない返済計画を立てないと返済が滞って物件を手放さなくてはならない可能性もあるので注意が必要です。
また、不動産を購入する際は、広告に掲載されている物件価格以外にも費用がかかります。総額が膨らんで購入計画に支障が生じないようにするためにも、どんな費用がかかるのか理解することが重要です。
この記事には、不動産の購入にかかる費用をまとめています。記事内容をしっかりと確認すれば、どのような費用がかかるのか分かるため、資金計画に関するトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。