不動産購入コラム
【不動産購入の流れ5】購入申込・売買契約の締結
物件選び・現地見学の後は、いよいよ購入申込と売買契約の締結に移行します。手続きをスムーズに進めるために書類が必要になります。
この記事では、購入申込と売買契約の締結で押さえておくべきポイントを解説します。
目次
購入申込でチェックすべき4つのポイント
購入申込と売買契約は同じものと思っている人も多いのではないでしょうか?しかし、購入申込と売買契約は全く異なり、不動産会社に購入申込を行っても、売買契約が成立したわけではないので注意が必要です。
購入申込後に売買契約に移行するのでスムーズに売買契約に移行させるには、チェックポイントを押さえながら購入申込を行うことが重要です。購入申込でチェックすべきポイントとして、以下の4つが挙げられます。
購入申込でチェックすべき4つのポイント |
①申込条件の提示・調整を行う |
②申込証拠金が必要になる |
③先着順なのでスムーズに申し込む |
④住宅ローンの事前審査を受ける |
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
申込条件の提示・調整を行う
購入申込書とは、売り手の条件に同意した場合のみ提出するものではありません。例えば、現在の売出価格では価格が高すぎるので、値下げした場合のみ購入する、引渡しまでに修繕した場合のみ購入するといったように条件を提示することが可能です。
もし、売り手が条件に合意するとそのまま売買契約に移行しますが、合意しなかった場合は不動産会社を介して条件の調整を行います。
条件を調整してお互いが合意しなかった場合は交渉決裂ですが、調整した条件で合意できた場合は調整後の条件で売買契約を締結することになります。
申込証拠金が必要になる
購入申込の際は、基本的に金銭の受け渡しが行われるということはありませんが、物件によっては申込証拠金が必要になる場合があるので注意が必要です。
申込証拠金とは、「この物件を買います」という意思表示を行うために、不動産会社に預けるお金ですが、購入申込を行ったものの売買契約に至らなかった場合には返金されて、売買契約に至った場合は売買契約時の手付金の一部として充当されるのが一般的です。
購入申込を行う際に申込証拠金が必要なのか、必要な場合には金額がいくらなのか事前に確認しておきましょう。
先着順なのでスムーズに申し込む
新築マンションの売買の一部には抽選方式が採用されており、抽選で当選した人しか売買契約へと進むことができません。しかし、ほとんどの売買では先着順が採用されています。
先着順では、買い手に良い条件で購入を申し出るつもりでいても、先に相手との交渉が進んでいて契約に至った場合、物件が手に入りません。そのため、確実に物件を手に入れるには、気になった物件の現地確認を行ってから購入申込までをスムーズに行うことが重要です。
人気物件の場合には、少しの油断で先に交渉した購入希望者に取られる可能性が高いため、結論を先延ばしにせずに早めに決断しましょう。
住宅ローンの事前審査を受ける
購入申込を行うということは、物件の購入意思が固まっている状態です。購入意思が変わることはほとんどないため、購入申込の条件に売り手が合意後、スムーズに売買契約を締結できるように、住宅ローンの事前審査を受けます。
購入予定の物件価格を提示して事前審査を受けますが、事前審査に落ちた場合には他の金融機関の事前審査を受けることになります。
他の事前審査に落ちた場合には、購入申込を取り消して1から計画を見直さなくてはなりません。売買契約の締結に進んでから事前審査を受けて落ちた場合は、売り手に迷惑をかけてしまうため、早めに事前審査を受けましょう。
売買契約の締結でチェックすべき4つのポイント
購入申込を行って、双方が条件に合意した場合、いよいよ売買契約の締結に移行します。しかし、売買契約の締結と一口に言っても、売買契約書にサインすればいいというわけではありません。
売買契約書の不備に気づかずにサインした場合、後でトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。このようなトラブルを未然に防ぐには、売買契約の締結時のチェックすべきポイントを押さえた上で売買契約に臨むことが重要です。
売買契約の締結でチェックすべきポイントとして以下の4つが挙げられます。
売買契約でチェックすべき4つのポイント |
①契約に必要なものを事前に準備する |
②重要事項説明の内容をしっかり確認する |
③売買契約の書類をしっかり確認する |
④手付金が必要になる |
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
契約に必要なものを事前に準備する
売買契約を締結する際は、用意しておかなくてはならないものがあります。契約に必要なものには以下のような書類や金銭などが挙げられます。
・印鑑
・本人確認書類
・印紙または印紙代
・手付金
売買契約の締結の際は、署名と押印を行うため、印鑑を用意しておかなくてはなりません。また、契約者が本人なのか確認するための運転免許証やパスポートなどの本人確認書類も必要です。
売買契約書を交わす際は、購入代金に応じて印紙税を納めなくてはならないため、印紙代か印紙を用意する必要があります。
他にも、手付金として購入代金の5~10%が必要になってくるので、ある程度の資金を用意しておく必要があるでしょう。
重要事項説明の内容をしっかり確認する
売買契約の締結前に、不動産会社の宅地建物取引士が重要事項説明書を交付して、重要事項説明を行います。重要事項とは、不動産の売買契約を締結するにあたって、不動産会社が買い手に対して説明しなければならない以下のような事項を指します。
・不動産の権利関係
・法令上の制限
・契約解除に関する事項
これらの内容を十分に理解できていないまま契約を締結すると、後でトラブルに発展する可能性があるため、内容をよく確認してから契約に臨みましょう。
売買契約の書類をしっかり確認する
重要事項説明の内容だけでなく、売買契約書の内容もしっかり確認しておく必要があります。売買契約書には、いくらで不動産売買を行うか、不動産の面積や引渡し時期といった情報が記載されています。住所地や引渡し時期に誤りがないかどうかをしっかり確認しなければなりません。
設備表や物件状況等報告書といった書類を不動産会社に渡されて、キッチンや給湯器、エアコン、照明器具といった付帯設備や雨漏りの有無といった物件状況の報告を受けます。付帯設備や物件に欠陥があることを説明されたにもかかわらず聞き流してそのまま契約した場合、欠陥の責任追及を行えなくなるので注意が必要です。
全てを確認するのに時間と手間がかかりますが、トラブルを未然に防ぐためにもしっかりと内容を確認してから締結しましょう。
手付金が必要になる
手付金とは、売買契約を締結したにもかかわらず買い手または売り手が売買契約を破棄した場合に備えるためのペナルティです。買い手は購入代金の5~10%を手付金として納めますが、買い手が契約を破棄した場合には、納めた手付金が戻ってきません。
一方、売り手が契約を破棄した場合には、買い手が納めた手付金の2倍を買い手に渡すのが一般的です。
5~10%と言っても購入代金が基準なのでそれだけ手付金が大きくなります。手付金は売買契約で比率が異なるため、手付金を支払えないという状況にならないためにも、手付金がいくらなのかを確認しておきましょう。
まとめ
物件選びの完了後は、「売買契約書に署名と押印を行えば不動産購入は完了」と考えている人も多いと思います。しかし、売買契約の不備に気づかないまま契約を交わすと、後でトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。
トラブルを未然に防ぐには、ポイントを押さえながら購入申込と売買契約に臨むことが重要です。
この記事には、購入申込と売買契約のポイントについてまとめています。記事内容を確認してから購入申込と売買契約に臨むことで、手続きをスムーズに進められる、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。