不動産購入コラム
【不動産購入の流れ6】住宅ローンの申込
売買契約の締結後は住宅ローンの申込に移りますが、住宅ローンの借入金額は大きく、返済期間は数十年になります。そのため、返済計画に支障が生じることがないように、無理のない返済計画を立てなければなりません。
また、住宅ローンの申込にはいくつかのステップがあり、各ステップで不備があった場合は契約の完了まで時間がかかり、その後のスケジュールに支障が生じる可能性があるので注意が必要です。
この記事では、住宅ローンの詳細と申込の手順について解説します。
目次
住宅ローンの種類の違いを理解する
不動産の購入では、購入金額を自己資金だけでは補えないため、住宅ローンを契約するのが一般的です。住宅ローンにはいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なっています。
どの住宅ローンに申し込めばいいかは人によって異なるので一概に言えませんが、返済の開始後に後悔しないためにも、それぞれの違いを事前に知っておくことが重要です。
住宅ローンは大きく以下の3つに分類されます。
・公的融資
・民間融資
・その他の融資
それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
公的融資
公的融資とは、国や自治体が住宅取得を考えている人に提供している融資制度です。公的融資には以下のような融資が挙げられます。
・フラット35
・財形住宅融資
・地方公共団体の融資
財形住宅融資は、職業による制限が設けられていますが、地方公共団体の融資は職業による制限が設けられていません。
民間融資
民間融資とは、各金融機関が住宅取得を考えている人に提供している融資制度です。民間融資には以下のような融資が挙げられます。
・都市銀行
・地方銀行
・信託銀行
・ネット銀行
・生命保険会社
・信販会社
公的融資と比べると、種類が多数あるのが特徴です。融資条件は各機関で異なっているため、よく確認してから申し込むことが重要と言えるでしょう。
その他の融資
比較的規模の大きな会社に勤務している場合には、会社が住宅取得を目的とした融資を社員向けに提供している場合があります。
融資条件は各企業で異なりますが、利益目的で融資を行っているわけではないため、比較的金利が低く設定されているケースが多いと言えます。
もし、会社にそのような融資制度があった場合には、利用を検討してみても良いでしょう。
住宅ローンの金利の違いを理解する
住宅ローンの種類の違いについて説明しましたが、金利にも種類があるので金利の違いも理解する必要があります。住宅ローンの金利には、以下の3つが挙げられます。
住宅ローンの金利の種類 | 特徴 |
変動金利型 | 金利が変動するので返済額も変動する |
固定金利型 | 金利が一定なので返済額も一定 |
固定金利選択型 | 期間ごとに変動金利と固定金利を選択できる |
それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
変動金利型
変動金利型とは、半年に1回金利が見直され、その結果に基づいて5年ごとに返済額の見直しを行う返済方法です。
「大幅に金利が上昇すると損をするのでは?」と不安になった人も多いと思います。しかし、急に金利が上昇しても、従来の返済額の1.25倍までという上限があるので心配はありません。
金利が上昇している状況では、固定金利型よりも変動金利型の方が適用金利が低く設定されているケースが多いと言えます。そのため、変動金利型で住宅ローンを申し込む人も多いですが、金利が上昇すると損をします。そのため、長い目で見てどの金利が適しているのかよく選ぶことが重要と言えるでしょう。
固定金利型
固定金利型とは、契約当初の金利が最後まで変わらずに適用されている返済方法です。適用金利が変わらないということは返済額が変わらないということなので、変動金利型より返済計画に支障が生じにくいのが特徴です。
金利の上昇が進んでいる状況では、変動金利型よりも固定金利型の方が最初の適用金利が高く設定されているケースが多いと言えます。最初は損をした気になるかもしれませんが、金利が上昇して変動金利が固定金利を上回った場合には得をします。
しかし、低金利が長く続いた場合、変動金利型の方が有利になる場合もあるので注意が必要です。どちらを選ぶべきかよく分からない場合は、住宅ローンを提供している機関に相談しながら選びましょう。
固定金利選択型
固定金利選択型とは、3年・5年といったように一定期間金利が固定されていますが、期間満了後に再度固定金利にするか変動金利にするか選択できる返済方法です。
「固定金利型と変動金利型の良い部分を組み合わせた返済方法」と思っている人もいるのではないでしょうか?状況に合わせて選べるのは大きなメリットですが、変動金利型とは異なり、返済額の上限が設けられていないというデメリットがあります。
そのため、金利が大幅に上昇した場合、返済額も大幅に増えることになります。固定金利選択型を選ぶ際は、このリスクをよく理解した上で選びましょう。
住宅ローン申込の3つのステップと必要書類
住宅ローンの契約は売買契約締結後から残金決済・引渡しまでに行う必要があります。そのため、スケジュールに支障が生じないようにするためにも、スムーズに申込を行う必要があります。
スムーズに申込を進めるためには、住宅ローンの申込ステップと必要書類について事前に理解しておくことが重要です。
続いて、住宅ローンの申込ステップと必要書類について詳しく見ていきましょう。
住宅ローンの申込
住宅ローンの申込では、以下のような手続きを行います。
・必要書類の準備
・借入申込書の記入
・機関に申込書類を提出
必要書類の詳細は後述しますが、準備に時間がかかるものもあるため、事前にしっかりと用意しておきましょう。
審査・承認
住宅ローンの申込後は、機関が提出された資料に基づきながら審査を行います。事前審査より審査項目が多いため、結果が出るまでに3日~1週間程度を想定しておく必要があります。
審査が終わって承認が出ても、契約が完了したというわけではありません。承認後は機関と契約を締結しなければならないので注意が必要です。
契約締結
契約締結では、以下のような手続きを行います。
・必要書類の確認と提出
・契約内容の確認
・金銭消費貸借契約書の記入・捺印
必要書類については後述します。契約を締結した場合、長きに渡る返済がスタートするため、返済計画に問題がないかどうかしっかり確認してから契約しましょう。
住宅ローン申込に必要な書類
住宅ローンの申込では申込時と契約時の2回書類を提出します。それぞれの必要書類をまとめると以下の通りです。
住宅ローン申込時 | 住宅ローン契約時 |
・住民票(家族全員記載・本籍地はなし) ・住民税決定通知書や住民税課税証明書 ・印鑑証明書(3ヶ月以内に発行) ・源泉徴収票や確定申告書 ・売買契約書 ・免許証やパスポートなどの本人確認書類 ・健康保険証のコピー |
・住民票(家族全員記載・本籍地はなし) ・印鑑証明書(3ヶ月以内に発行) ・免許証やパスポートなどの本人確認書類 ・実印と銀行届出印 |
契約時は金銭消費貸借契約書に貼付する印紙も必要です。各機関で必要書類の内容が異なる場合もあるため、事前に何が必要なのかしっかり確認しておきましょう。
まとめ
不動産を購入する際は自己資金だけでは購入資金が不足するため、住宅ローンを契約して不足分を補います。しかし、住宅ローンを契約した場合、多額の返済を長期に渡って行うことになるため、よく考えてから住宅ローンを契約する必要があります。
この記事には、住宅ローンの詳細と申込の手順をまとめています。内容をしっかりと確認してから住宅ローンを契約すれば、スムーズに契約が進む、契約後のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。